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家にAを招き入れてリビングに案内した後。
流石にびしょ濡れになったので温まりに浴室に向かう。
温かいシャワーを頭からかぶってほっと一息ついてから、ようやく現実に戻ってこれた気がした。
冷静に考えて……俺は何をしているんだろうか。
土砂降りの中、そんなに遠くないとはいえ日が暮れた後に外出して、しかも幽霊とはいえ女性を家に招き入れるなんて。
……いや幽霊なんだけども……。
そこまで考えてふと自嘲にも似た笑いが漏れる。
女性のことで慌てる俺も。
幽霊のことを悩む俺も。
前までなら考えられなかったな、と。
いつも暗い夜にあの公園に残してくるのも少し気にはなっていた。
とはいえ、彼女は幽霊だし、男の家にくるのは嫌だろうし、一人の時間も欲しいだろうし……とつらつら考えて今まで何も問うことはしてこなかった。
ただ、今日だけはどうしても帰り際のあの表情が気になって仕方なくて。
一度家に帰ったものの、雨が降ってきてからは余計にどうしたものかと彼女の姿を脳裏に思い描いて。
雷が遠くに鳴り響いたのが聞こえてきたら、いつの間にか傘を持って歩き始めていた。
何をしているんだ、とは思いつつも、公園で彼女を見つけた時の事を思えば正解だったとも思う。
恐らく雷が苦手なのだろう。
あの初めて会った時と同じように、いやそれよりも更に小さくなっていた彼女が見ていられなかった。
涙を堪えていたのはあの時も同じだった。
けれど、あの時と違うのは俺を見上げるその瞳に信頼と安堵が入り混じっていて。
その眼差しが俺を貫いていく。
心臓の鼓動を跳ね上げて、冷静でいられなくする。
いや、それでも落ち着けって俺。
相手は幽霊で、もう生きている人間ではなくて。
どうやったって一緒にいることのできない相手で……。
けれど、そんな事を考えている時点で、俺はどうかしているのかも知れない。
先程、リモコンを渡す時に感じた感覚が手から離れない。
それは触れられない彼女が確かにその場に存在することを感じさせた。
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しらたま。(プロフ) - おださん» おださん初めまして！コメありがとうございます!! 今回は特に高校生らしい純粋さ、真っ直ぐさ、大人への移り変わりみたいなのを意識しているので、そう言って頂けるのは非常に嬉しいです^^！ 駆け足ではありますが、最後までもう少しお付き合い頂けたら幸いです🍀*゜ (3月8日 16時) (
レス) id: a02f9236c1 (このIDを非表示/違反報告)
おだ(プロフ) - (続き失礼します。) この先の結末が別れしかないからこそ言えなかったり、できなかったりすることもあるだろうに、全員で人のためを思って行動できる人をただそういう風に描けるしらたま。様の文体が、一層登場人物の純粋さを引き立たせていて大好きです。 (3月8日 16時) (レス) id: dd244e2324 (このIDを非表示/違反報告)
おだ(プロフ) - 初めまして。コメント失礼します。純粋に真っ直ぐにお互いを思い合って、周りの友人もそんな二人を見守って全力で協力して、お互いを尊重し合っている関係と物語に切なくなります。→ (3月8日 16時) (レス) @page48 id: dd244e2324 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しらたま。 | 作成日時：2024年2月29日 20時
