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◆きんとき視点
✼ ✼ ✼
「なぁ、きんときさんよ」
「なんでしょうか、きりやんさん」
皆でコンビニに行って、それからいつもAちゃんが過ごしている公園へと来た。
ここはスマイル以外は通学路から少し離れているが、住宅街にこじんまりと存在する古びた公園は、ノスタルジックで案外と悪くない。
買ってきた新商品のパンを食べ終わった所で、横にいる友人がこちらを見ないまま話しかけてきた。
少し離れたところでは他の友人たちがわいわいと話をしている。
ふとその中にいるひとり、スマイルが斜め後ろを振り返った。
そして空中に向かって何やらぼそぼそと話しかけている。
恐らくそこには俺たちには見えないがAちゃんがいて、何か話しかけられたのだろう。
最近ではようやく見慣れてきた光景だ。
きりやんは食べ終わったアイスの袋をくしゃりと潰した。
「あの2人のことどう思う？」
「……なに？まだスマイルは幻を見ていると思ってんの？」
それがどの2人を差しているのかは言わなくても察してしまう。
この友人が、一番スマイルに苦言を呈していたのは皆が知っていることだ。
もちろん、それが心配からきていることも分かってはいる。
きりやんはふるふると首を振った。
「幻じゃないから……問題だと思ってるんだ」
「問題……？」
「Aちゃん、スマイルのことが好きなんだろ？」
「あぁ、言ってたね」
それはノートで彼女が筆談してくれた時に書いてくれていた。
更にはこちらの懸念を先に察知したのか、それで取り憑いたりしないから！！なんて先に言われたりもしたけれど。
「俺にはさ、あいつも……スマイルもAちゃんに惹かれてるように見えるんだけど……」
「あぁ……まぁそれは俺も思う」
最初はその存在が自分たちと違うものだから気にかけていると思った。
けれど最近はそうではないんじゃないか、と思うことが時々ある。
先程のコンビニでのスマイルを思い出す。
彼女と何を話していたのかはわからないが。
以前のあいつは、あんな風に少し困ったような、何かもどかしそうな顔をすることは無かった。
少なくとも俺たちの前では。
「きりやんは……スマイルが“幽霊”であるAちゃんに恋することに反対ってこと？」
わざとらしく強調した言い回し。
その問いにきりやんがちらりと俺を見る。
そして少しおどけたように肩をすくめてみせた。
✼ ✼ ✼
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しらたま。(プロフ) - おださん» おださん初めまして！コメありがとうございます!! 今回は特に高校生らしい純粋さ、真っ直ぐさ、大人への移り変わりみたいなのを意識しているので、そう言って頂けるのは非常に嬉しいです^^！ 駆け足ではありますが、最後までもう少しお付き合い頂けたら幸いです🍀*゜ (3月8日 16時) (
レス) id: a02f9236c1 (このIDを非表示/違反報告)
おだ(プロフ) - (続き失礼します。) この先の結末が別れしかないからこそ言えなかったり、できなかったりすることもあるだろうに、全員で人のためを思って行動できる人をただそういう風に描けるしらたま。様の文体が、一層登場人物の純粋さを引き立たせていて大好きです。 (3月8日 16時) (レス) id: dd244e2324 (このIDを非表示/違反報告)
おだ(プロフ) - 初めまして。コメント失礼します。純粋に真っ直ぐにお互いを思い合って、周りの友人もそんな二人を見守って全力で協力して、お互いを尊重し合っている関係と物語に切なくなります。→ (3月8日 16時) (レス) @page48 id: dd244e2324 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しらたま。 | 作成日時：2024年2月29日 20時
