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授業中はやっぱりやることがなくて、スマイルに言って少しだけ学校内を探索もしてみた。
とは言っても彼のところに戻れなくなると困るから、同じフロアぐらいだけれども。
清潔感のある、よく掃除された綺麗な校舎。
黒板にチョークの音。よく通る先生の声。
窓の外には体育をしているクラスがざわめいている。
今は時期じゃないのか水のないプールも見えた。
どれも記憶にはないし、懐かしさも感じない。
むしろ新鮮な気持ちと、不思議な感覚のほうが強いくらいで。
……本当に私はここに通っていたのだろうか。
言ってしまえばこの着ている制服だって身に覚えは無いし、馴染みもないのだ。
午後にもなると教室の後ろの棚の上に乗って、じっとスマイルを見ていた。
開いている窓から入ってきた風が彼の髪を揺らす。
お昼ごはんの後で眠いのか、真面目に聞いているようでその視線は窓の外へと向けられていた。
あ。あくびしてるし。
思い出すのは先程のこと。
昼休みに彼に話しかけている女の子がいた。
「あ、あのね、スマイルくん……」
「ん？」
「これなんだけど、」
「あぁ委員会の。悪い、ちょっと待って」
「う、うん」
その子は少し頬を染めて、上ずったような可愛らしい桃色の音を奏でていて。
あぁ、この子“も”スマイルのことが好きなんだな、って。
すぐに分かっちゃうよね、そんなの。
だって同じ人が好きなのだから。
けれど、そもそも土俵が違う。
彼女はクラスメイト。
私は……そうだね、良く言って守護霊？
正直に言えば羨ましい。
彼とこうして学校に通えて、言葉を交わせて、時を同じく過ごせて。
……一緒にこの時間を生きて行けて。
時々どうしようも無いと分かっていながらも考えてしまう。
私はどうしてこの身体になってから彼と出会ったのだろうか。
ねぇ、神様。
そっちに行く前にこんな恋をさせるのは、何か理由があるんでしょうか。
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しらたま。(プロフ) - おださん» おださん初めまして！コメありがとうございます!! 今回は特に高校生らしい純粋さ、真っ直ぐさ、大人への移り変わりみたいなのを意識しているので、そう言って頂けるのは非常に嬉しいです^^！ 駆け足ではありますが、最後までもう少しお付き合い頂けたら幸いです🍀*゜ (3月8日 16時) (
レス) id: a02f9236c1 (このIDを非表示/違反報告)
おだ(プロフ) - (続き失礼します。) この先の結末が別れしかないからこそ言えなかったり、できなかったりすることもあるだろうに、全員で人のためを思って行動できる人をただそういう風に描けるしらたま。様の文体が、一層登場人物の純粋さを引き立たせていて大好きです。 (3月8日 16時) (レス) id: dd244e2324 (このIDを非表示/違反報告)
おだ(プロフ) - 初めまして。コメント失礼します。純粋に真っ直ぐにお互いを思い合って、周りの友人もそんな二人を見守って全力で協力して、お互いを尊重し合っている関係と物語に切なくなります。→ (3月8日 16時) (レス) @page48 id: dd244e2324 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しらたま。 | 作成日時：2024年2月29日 20時
