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✼ ✼ ✼



周りの神官たちも、Aの話なら俺も聞くと気付いたのだろう。
彼女を通して俺にあれこれ言ってくるのは小賢しいとは思いつつも、彼女のことを無碍にできないのも事実だった。
それに彼女は本当に俺に不利益なことは言わなかった。








Aは村での扱いはひどかったという。
だから拾って神殿に置いてくれた俺に恩を感じているらしく、一生俺に仕えると幼いころから言って聞かなかった。
……まぁ、そういうつもりじゃなかったと言ったところで、神殿で育つんだからそういう教育になるのは自然なことだよな。



一途に俺を慕う少女が可愛くないはずがない。
けれども育つにつれて、それに苛立ちも感じてきた。

その言葉には一切の欲や邪な思い、ましてや恋慕など存在していない。
ただただ純粋でまっすぐに慕っている“だけ”。

なぜそんな彼女に苛つくのか。


理由がわからず悩む俺に、創世神は少し笑った。



「そうじゃないことに苛立つってことは、そうあって欲しいってことでしょ?」

「は?」

「つまり、彼女に敬愛の想いじゃなくて、恋心を向けて欲しいってことなんじゃないの」

「……はぁ!?」



なかむの言葉に唖然とはしたが、そう考えれば辻褄が合うことばかりだった。

簡単に結論付ければ、そう。
つまり俺は人間の少女を、好きになってしまったわけだ。








そこからはどうやって彼女を自分のものにするか考えた。
けれどある時ふと気づく。

そもそもAは俺に捧げられた存在だ。
贄、として。
それならば、それを受け取ることになんの問題もないだろう。





俺の様子に敏い神官たちはすぐに気がついたみたいだった。

……そんなに俺がわかりやすいとは思っていない。多分。
だって彼女は気づいていなかったのだから。


神官たちはAの周りから同年代の男たちを遠ざけ、そして俺の世話のあれこれをさらに教え込んだ。
それらが神の妻がする役目も含んでいたことは、A本人だけが知らない。

いつか俺の横に並び立つ、尊き存在になる。
それを理解していないものたちは彼女の側からそれとなく遠ざけられていった。



あの新人の神官が近づいたのは本当に積み重なった偶然だった。
誰も責められない。
いや、強いて責めるとすれば隙のあった彼女であろう。
今頃、その神官は先輩たちにこっぴどく言いくるめられている頃だ。



✼ ✼ ✼

// しらたま。→←▽



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しらたま。(プロフ) - るあさん» るあさん!返信が遅くなってしまい申し訳有りません!何かしらで通知を見逃してしまっていたようです(汗) コメ頂きありがとうございます!ntjさん少し特殊なお話でしたが受け入れて頂けてとても嬉しいです^^ 残り数日、お付き合いくだされば幸いです✨️ (4月25日 2時) (レス) id: 5d28ad3807 (このIDを非表示/違反報告)
るあ(プロフ) - 拾われた子とその恩人の話好きなので嬉しい、!特に'それはきっと素敵なこと'が好き!善意から距離取ろうとする主人公と接し方が分からないinrさん可愛すぎました、私もあのご夫婦大好きなのでメインなのも嬉しかったですれ!! (4月17日 17時) (レス) id: cdc395c024 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:しらたま。 x他4人 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2024年2月20日 18時

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