その名を呼ぶまで＊wt/kr ページ39
⚠ DDCパロ
オリジナル解釈＆設定を含
ストーリーネタバレ有
⚠ 集団暴行を示唆するような描写が出てきます
匂わせ程度ではありますが、苦手な方は閲覧をご遠慮ください
✼ ✼ ✼
移動式サーカスへ両親に連れられてきたのは私が10歳とかそこらへんだったと思う。
両親に愛されていなかった私は誕生日を祝ってもらうことがなかったから、明確な年齢は覚えていない。
その日、珍しく外出に私を伴ってくれた事を怪訝には感じていたが、初めて見るきらびやかなサーカスの演目にはついつい夢中になってしまった。
そして気づいた時には私は園内にひとりでぽつんと立っていた。
背後には物悲しい音楽と、閉園を告げるアナウンス。
自分の家の住所も、電話番号も分からず、そして滅多に外出しない私が、ここから1人で帰れる訳は無かった。
どうしようか……とりあえずここから出ないと行けないだろうか。
ぼんやりと麻痺した心で現実を受け止めていれば、ふと、自分の足元に大きな影がかかった。
ゆっくりと振り向けば、夕日を背中に1人のお兄さんが少し困ったような顔をして立っていた。
二言、三言話せば事情を察したのか、お兄さんは少し考え込んだ顔してから私に尋ねてきた。
「お嬢さん……俺と一緒にくる？」
まさかそんなことを言われるとは思ってもみなくて。
お兄さんはそれでもぱちくりとまばたきをする私の顔を、じっと見てきた。
「……うん」
迷ったのは一瞬だった。
差し出された手がどんなものか分からなくても。
それでも私にはそれに手を伸ばす以外の選択肢を、他に知らなかった。
「君の名は？」
「A……お兄さんは？」
「そうだな、仲間たちからは“＿＿＿＿”って呼ばれてる」
「“＿＿＿＿”」
「そう。さ、行こうか」
少し肌寒さを感じ始めた夕方。
その人の手が暖かかったのはよく覚えている……
✼ ✼ ✼
ぱちり、と目を開く。
先程の現象にこてりと首をかしげれば、私の目の前にいる人物が「Aどうかした？」と聞いてきた。
記憶よりも幾分か歳を重ねた彼に私はふるりと首をふる。
「なんでもない」
まさか夢を見ていたなんて。
そんなことあるわけ無いのに。
この身体はそんな人間らしいこと、持ち合わせていないはずなのに。
彼は考え込む私の様子には気づいていないのか。
そのまま先程まで触れていた私の腕から手を離すと、少し離れたところからぐるりと体全体を見回した。
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しらたま。(プロフ) - るあさん» るあさん！返信が遅くなってしまい申し訳有りません！何かしらで通知を見逃してしまっていたようです(汗) コメ頂きありがとうございます！ntjさん少し特殊なお話でしたが受け入れて頂けてとても嬉しいです＾＾ 残り数日、お付き合いくだされば幸いです✨️ (4月25日 2時) (
レス) id: 5d28ad3807 (このIDを非表示/違反報告)
るあ(プロフ) - 拾われた子とその恩人の話好きなので嬉しい、！特に'それはきっと素敵なこと'が好き！善意から距離取ろうとする主人公と接し方が分からないinrさん可愛すぎました、私もあのご夫婦大好きなのでメインなのも嬉しかったですれ！！ (4月17日 17時) (レス) id: cdc395c024 (このIDを非表示/違反報告)
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