だから困ってるんだ＊wt/kn ページ4
設定：吸血鬼kn×人間
✼ ✼ ✼
十数年前のある日、森奥で衰弱している人間の幼女を拾った。
捨て置かれたその弱々しい存在をなぜだか無視できなくて。
あちこちに頭を下げて知恵を借りながら、その人間の子の看病をした。
しばらくして元気になったものの、行く宛のないその子供を結局引き取ることになり、さらには養育することになるとは……さすがにこの子を拾った時には思いもしなかった。
「きんとき！！」
廊下からぱたぱたと軽い足音が聞こえてきたと思いきや、突然執務室のドアが派手な音を立てて開く。
誰がくるかは分かっていたから用意しておいた小言をぶつけた。
「A、もう少し静かにね。大人のレディになるんじゃなかったっけ？」
「うっ……はーい、気をつけます」
しゅんと項垂れた少女の頭をぽんぽんと撫でれば、すぐに顔を上げてにっこりと笑う。
それだけでこの薄暗い屋敷に光が差し込んで見えるのだから。
彼女の影響力といったら、俺だけでなく仲間内にまで絶大なことを本人だけが知らない。
「それで、どうかした？お勉強の時間は終わったんだよね」
「うん、スマイルが今日はこれでおしまいって」
「それはお疲れ様」
「ありがとう！でね？授業で聞いたことがあって……」
吸血鬼が保護者の人間なんて、通える学校は存在しないから。
彼女の教育は俺も含めて仲間たちがそれぞれ受け持っていた。
ただ全員、純粋な教師な訳では無いから……今日はスマイルに何を吹き込まれたんだか。
そわそわしている彼女を見て続きを促せば、彼女は高揚からかいつもより少し大きい声で話を続ける。
「きんとき、私の血を飲んでくれないじゃない？人間は弱いからって」
「あ〜……そうだね」
彼女が、自分と俺たちは違う種族だと理解してから、幾度となく口にしてきたやり取りを思い出す。
血を吸って欲しいと言ってくる少女をあの手この手で遠ざけてきたのは、今では少し懐かしい思い出だ。
最近はそう言われることが分かっているからか、何か物言いたげにすることはあれどもあまり直接突撃してくることはなかったのだが……。
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しらたま。(プロフ) - るあさん» るあさん！返信が遅くなってしまい申し訳有りません！何かしらで通知を見逃してしまっていたようです(汗) コメ頂きありがとうございます！ntjさん少し特殊なお話でしたが受け入れて頂けてとても嬉しいです＾＾ 残り数日、お付き合いくだされば幸いです✨️ (4月25日 2時) (
レス) id: 5d28ad3807 (このIDを非表示/違反報告)
るあ(プロフ) - 拾われた子とその恩人の話好きなので嬉しい、！特に'それはきっと素敵なこと'が好き！善意から距離取ろうとする主人公と接し方が分からないinrさん可愛すぎました、私もあのご夫婦大好きなのでメインなのも嬉しかったですれ！！ (4月17日 17時) (レス) id: cdc395c024 (このIDを非表示/違反報告)
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