フレシスコン【宮侑/宮治】

エピソード 12 ページ12

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「ええ〜晩ご飯も一緒に食べようやぁ」



駄々を捏ねる治に首を振る。倫太郎がお腹を空かせて待ってるんだから駄目に決まってるでしょ。





「うげ、侑(ツム)から大量の着信きとる。絶対Aちゃん俺とおること角名に言うたやろ」

「だって聞かれたから」

「そこは黙っとくとこちゃう？」

「あーもー侑もウチにいるんでしょ？お詫びに晩ご飯食べてきなよ。それでいい？」




私の言葉にさっきまでとは打って変わって笑顔になる治は単純だ。侑といい治といい大型犬みたい。ラブラドールほど温厚じゃないけどシェパードよりは大人しいの。犬種だと何だろ？？

どうでもいいことを考えながら、治とスーパーに寄ってから帰宅した。






「おかえり！！！！！」


家の玄関を開けた途端に部屋の中に引っ張られる。誰の仕業かなんて、ピンクの手袋してるんだから顔を見なくてもわかる――って、




「侑まってそれ掃除用！！汚い！！！」

「えっあ、ごめっ……でもこれまだ台所用やから安心して、な？」

「今すぐに離して」





低い声でそう言うと見えもしない尻尾が下がったような気がした。あ、本格的に犬に見えてきた。

大人しくなった侑と、倫太郎に事情聴取されてる治に構わず晩ご飯の準備を始める。



治リクエストのハンバーグは侑だけ無駄に小さくして焼いた。人の腕をゴム手袋で鷲掴みにするなんて本当に有り得ないから大人気ないけど仕返しだ。

トイレじゃないからって、結局は台所の排水溝だったし掃除してくれて有難うだけど。ほんっとこの双子には手を焼く。






「俺のんだけハンバーグちっちゃい………」

「仕方ないから俺の半分あげる」

「す、角名ぁぁ」

「その代わり明日の鍵担当代わってね」

「えっ、」








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