及川さんバースデー【HQ】

生 ページ2

.



「見せたいものあるから家来て」


付き合ってる彼女にそう言われて一瞬時が止まったような気がした。___え？もしかして誕生日プレゼントは私とか言われちゃう男子高校生憧れのあれ！？

まってまって、そりゃもう18歳になったし妄想して抜いたこともあるけど急すぎるって、さすがの俺も気持ちは整えたいっていうか……


＊




「お誕生日おめでとう！」


彼女の家に着いて、部屋に招かれる。何か部屋の隅に大きな物体がある気がするけど俺はそれどころじゃない。制服のポケットに忍び込ませたゴムをこの部屋で使う日が来るとは思わなかったけど。

まあだって俺んちベッドじゃないし。今までの彼女はその子の家かホテルだったし。


なんて要らないことを考えながらもうるさい心臓を落ち着かせるようと深呼吸をすると、Aちゃんに目を閉じてと言われた。




え、まって、いや瞑るけど。もしかして攻めるタイプなの………？
及川さんそっち慣れてないからどうしたらいいのかわかんないよ大丈夫！？






＊





＊






…………あれ？いくら待ってもAちゃんからは何も仕掛けられなくて不思議に思って目を開けると目の前に変な顔した俺がいた。

え…なんて？俺がいた？おれ？





「ね、ねえAちゃんこれなに？」

「徹くんだけど」

「ごめんまって全然状況把握できないんだけど」




目の前の俺の等身大の段ボールで出来てるっぽいパネルを端に退かしながら「プレゼントだよ」なんて言いながら腰あたりに巻かれてたリボンを整えた。


ごめん、だいぶ意味わかんない。




.

日→←誕【1】

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す