立場的にまずいので角名くんと別れました【HQ】

31:絶不調な彼は ページ31

※色々捏造
※特にすなりん
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インターハイ兵庫県予選決勝戦
俺は今、ベンチで座ってる。






「なんや倫太郎、最近目に見える絶不調やけどなんか悩み事でもあんのか？」

「………別にないですけど」

「素直になれや(笑) ま、この試合終わるまでにはいつものお前に戻れよ」

「……はい、すみません」





わかってるんだ、全部。自分の調子が悪いことも俺のせいで侑が苛立っていることもそのせいでチーム内の雰囲気が悪くなってるのも。

だから下げられてもおかしくなかった。





監督にお前のブロックあってやからなって背中を押してもらったけど、こんな大事な試合の最中でもチラつくのはAのことばかりで。




百パーセント俺が悪かったけどさ、

流石に家に行ったら部屋の電気付いてんのにあからさまに居留守使ったり、
電話には出ないしLINEも未読無視

授業だって気まずそうにするし、わざとアイロン頼んでも目すら合わせてくれなかった。


流石に酷すぎない？






押され気味の稲荷崎はタイムアウトを取った。それを他人事のように聞いてた。




「おい、角名。ちゃんと見とけよ。お前がおらな俺らは勝たれへんねや……っ！ええ加減別れた女のケツばっか追っかけてんなよ」

「………」




わかってるよ。

頭冷やせって意味でベンチ下げられたのも、侑も治も銀も早よ戻ってこいって目で俺を見てんのも。観客席からの野次も全部。

わかってるけど、うまくいかないのは


あの泣きそうな顔したAが俺の頭の中でチラついてるから。







「女なんかいくらでもおるやん。これ勝ったら合コンでも開いたるし」

「は？そんなのいらないし」

「強がんなって、女の傷は女で埋めろってAちゃんも言うてたし」

「………誰が言うてたって？」

「Aちゃんやけど」







私のことは諦めて他の女いけって？
Aってほんと、酷いよね。


あー、なんか腹立ってきた。悩んでるのも馬鹿らしくなって相手のボール、おもっきり

叩き潰したいや。





俺の顔色が変わったのを確認した監督は
選手交代で俺を入れた。






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