立場的にまずいので角名くんと別れました【HQ】

4:どっかで見たことある ページ4

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「調味料は前に置いてあるから各班必要な量とりにきてくださいねー！」




水曜日の3,4限目、調理実習の時間。



材料を班ごとに分けて用意し、作り方をホワイトボードにまとめるまでが私の仕事で。この時間は可愛い可愛い生徒たちを見守る。それも私の仕事。


今日のこの時間は何故か逆に見られてるけど。
目の前の長身くんと見つめ合う。
ん？この子どっかで見たことあるなあ。

学校でじゃなくて、どっかで。






「何か困ったことでもあった？」

「……」

「宮くん？調味料かな？」

「いや、A先生のことどっかで見たことあんなあって思って」






え……！？同じこと考えてた………！
いやまって、この子見たことあると思ったら倫太郎のインスタだ。倫太郎と仲良い子だ。倫太郎そういえば記念日に私のことストーリーに載せてたっけ？絶対それじゃん。見たのそれじゃん！





「それ治の気のせいじゃない？」

「倫太郎………っ！あ」





宮くんになんて答えようか迷ってたら調味料を取りに来た倫太郎に助けられた。そして助けられた癖に新たな問題を自分で作った私。

ごめん、謝るからそんな睨まないで。





「え？A先生いま倫太郎って。角名の事したの名前で呼んでるん？」

「えっとその、苗字の読み方わかんなくて！」

「あ〜！角名って書いてすなって読むんよ」






先生のくせにおばかさんやなあって笑う宮くんにあははって笑い返す。助かった………。

宮くんは調味料を取って自分たちの班に帰っていった。





「ほんとばかだよね、鳴雨先生」






クラスのほとんどの子たちは鳴雨って苗字が言いにくいからって下の名前で呼んでくれる子たちが多いのに、倫太郎はわざと苗字で呼んできた。


ちくり、

少しだけ胸の奥が痛んだ。







でもそれ以上に先生呼び萌える！！！


私って変態だったっけ？なんて、ぼけーってしてたら調味料を取りに来た他の班の子に呼ばれて我に帰って仕事を続けた。








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