26:第一志望 ページ26
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目の前でにこにこしてる倫太郎と、
腕を組んで威圧する私。
「何これ」
「何って進路希望だけど⁇」
睨んでもにっこにこ笑ってるだけ。大学はスポーツ推薦で行くつもりだしって……、確かに倫太郎はバレーのセンスも凄いし勉強だってその気になればいい点取れるくらい余裕だと思うけど!!!
「こんなふざけて書くのは流石に怒るよ」
「ふざけてるって思う?」
思うから聞いてるんでしょーが!って言おうとしたけど言えなかった。顔が本気だったから。
「デートも年に数回、キスだって去年の夏以来してないしエッ チなんて最後いつした?」
「ここ学校なんだけど」
「別に誰も居ないし。Aは気にしすぎ」
なんかデジャヴだな。あー去年私のせいで寝坊したときの反省文か。あの時は頬にキスされて怒ったな、気にしすぎってそりゃこっちは生活掛かってんだから気にもするよ。アンタみたいに恋愛真っ盛りの猿じゃないんだわ、______って
何考えてんだ私。
「全部声に出てるから」
「………嘘ごめ、え!?、んっ……」
この前は頬だったのに、こいつ口にしてきた。挙げ句の果てに舌まで入れてくるもんだから
「…………った」
思っきり噛んだ。痛いだろうけどこっちも机二つ挟んでるのに思っ切り腕を引っ張られたから腰打ったんだよね、おあいこさま。
何すんの、って睨まれたけどこっちの台詞だから。お互いの立場そろそろ弁えてよ。
最高学年だよ?
「これ返すから明日までに志望の大学に書き換えて木津根先生に渡すこと、わかった?」
「………嫌って言ったら?」
「なんでそんなに物分かり悪いの?私のことそんな困らせたい?」
「俺のことで悩みまくって困ればいいと思ってる。なんなら俺らのことがバレてこの学校に居られなくなって俺のモノに戻ればいいのにって思ってる」
絶句した。
就職活動頑張って、応援してくれてたのに
自分の思い通りにならなかったらこうも掌返すものなんだ。
別れて一年間、
倫太郎のお陰で休みの日は一緒に過ごせて
すごく楽しかったし
めちゃくちゃハラハラもしたけど。
私の中で何かが消えた気がした。
「休みの日も、もう家に来ないで」
進路希望の紙をグシャって丸めて
ポケットに突っ込んだ。
倫太郎の机の上に新しい用紙を置いて
教室を出た。
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しらす(プロフ) - ちゅんさん» 素敵な作品と仰って頂けてこの作品を作って良かったです!!!ご愛読ありがとうございました!(o^^o) (2020年6月21日 23時) (レス) id: 4f75907372 (このIDを非表示/違反報告)
ちゅん(プロフ) - 完結おめでとうございます!!素敵な作品ありがとうございました!! (2020年6月21日 15時) (レス) id: 91eeaf506e (このIDを非表示/違反報告)
しらす(プロフ) - 神威さん» 即……!?もう嬉しすぎてにやけ倒しました!!!頑張れます大好きですありがとうございます!! (2020年6月18日 22時) (レス) id: aaef6ecc2a (このIDを非表示/違反報告)
神威(プロフ) - もう好きすぎて好きすぎて更新されたら即見にきてます!応援してます頑張って下さい! (2020年6月18日 22時) (レス) id: f6e7e20f63 (このIDを非表示/違反報告)
しらす(プロフ) - kyoさん» 彼女には意地悪だったらいいなって思ってキャラちょっとだけ捏造しちゃったので好きって言っていただいて嬉しいです!!!ありがとうございます。更新がんばります! (2020年6月17日 16時) (レス) id: aaef6ecc2a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:熊谷 x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php?t=ohuro
作成日時:2020年5月29日 21時