立場的にまずいので角名くんと別れました【HQ】

25:進路希望は突然に ページ25

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「なんだこれ」


進路希望調査の紙を纏めていると結構早めの出席番号あたりで止まる。なんでこんなこと書くかなあ！もし纏めるのが私じゃなくて木津根先生だったらアンタどうしてたの！ほんと危ない！！！




あのお利口さん過ぎた三年生達が卒業してチャランポランな二年生が最上級生になった、春。
私たち教師陣の初めての職員会議の議題は“如何に宮兄弟を大人しくさせるか”だった。

教頭先生すら、北信介なき後───とか言い出すから吹き出しそうになった。三年の学年主任の死んでませんからってツッコミのせいでしんだ。


流石関西人です。




そして本日、木津根先生が出張とのことで放課後の進路相談を頼まれました。別に後日に回せばいいものの偶然にも体育館の点検日でバレーボール部がオフだからバレー部の進路見てやってって言われた。


そして冒頭に戻る。




木津根先生の為に日付順に進路希望の紙を分けていると氏名欄に“角名倫太郎”と書いた紙を持ちながらわなわなと震えた。

どうしたんですか？って相変わらず隣の席の飯綱先生に聞かれたけど笑って誤魔化した。




放課後一生くんな！！！！！









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なんてことは無理な話で、
キーンコーンカーンコーンって私にとっては魔の音色が校舎に鳴り響いた。

深呼吸をして二枚の紙を持って誰もいなくなった三年一組の教室に向かった。机を二つ並べてると「あれ？A先生なんや」って宮くんが入ってきた。




「これ、将来の夢ってこと？」

「うん。これ以外考えられへんねん」




宮くんは双子揃ってプロバレーボール選手になると勝手に思ってたからびっくりした。私の表情を読み取った宮くんは「俺の片割れに怒られたわ」ってなんか嬉しそうに微笑んだ。

なんで怒られたのに嬉しそうなのよ。






「だから進路はこの専門学校に行って将来的には自分の店出すつもりです。そんときはA先生、ご贔屓にしてな？」


「常連さんなる。めちゃくちゃ通う！」









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宮くんとの面談はスムーズに終わった。“飯に関わる仕事”ってざっくりした夢だけどやりたいことはハッキリしてたし、先生応援しまくる。

さ、問題は今からだ。



宮くんの居なくなった教室で、第一志望の欄に“Aと結婚する”と書かれた紙を見つめた。









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