立場的にまずいので角名くんと別れました【HQ】

21:麻婆豆腐 vol.2 ページ21

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調理実習ってどこかの班が必ずやらかすよね。
さっきの時間も宮くんがやらかしてたし。まあ結果オーライだったけど。

作り終わった班から出来栄えのチェックをして回っていると、下を向いて震えてる宮くんがいた。その横でスマホ向けてる倫太郎もいた。いやうん別にいいんだけど今授業中だからそんな堂々出すな。






「ぜったいすなやろ……！」

「………」


涙目になってる宮くんと冷めた目で宮くんを見る倫太郎。何してんの、あんたらさっきまで仲良さそうに話してたじゃん。

同じ班の子たちは宮くんがここまで怒ると思ってなかったのかオロオロしたり宥めたり、助けを求めるような目線を感じた。


あっはい。私の仕事ですよね。





「まーまー、宮くん落ち着いて。何があったの？」

「この麻婆豆腐食べてみて」

「あっ……！」




倫太郎がまずい的な声を発したけど気にも留めずに宮くんの麻婆豆腐を一口食べたらそれはそれは


死ぬほど辛かった。



エッ！？ナニコレ………！？！！？！、？






「なんでこんなからいの！？」

「治が摘み食いばっかりして完成する前にほとんどなくなったからむかついてデスソースいれた」







いやなにしてんねん。




あーだからさっきあんたらの班に無駄にお裾分けしまくる女の子達いたのね。納得したわ。
じゃなくて、倫太郎がこんなにも執念深い人間だなんて知らなかったなー。

言い争ってる二人を見ながらしみじみ思った。



口の中超痛いけど。







「なんでレモン？」

「レモン含まれてるクエン酸がデスソースのカプサイシンを和らげる働きがあるからだよ」

「酸っぱいやん……」

「辛すぎるのよりマシでしょ」





とりあえず自分の為に、冷蔵庫からレモンを取り出してカットしてついでに宮くんにもあげた。

辛いのが少しでも治まるように。


男子高校生の言い争いなんて珍しくないけど変な組み合わせだなーって思ってたら、片付けする頃には二人はもう仲良く話してた。


仲直りすんのはや。




てゆーか倫太郎、摘み食いされて怒ってたけどあんたも私が料理してるときよく摘み食いしてるよ。今度家来たとき今日のことネタにしよ。









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