立場的にまずいので角名くんと別れました【HQ】

11:酔った後の ページ11

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あの後、飯綱先生と居酒屋に行って次の日休みだからってたくさん飲んだ。

それはそれはたくさん飲んだ。




「送ってかなくて本当に大丈夫？」

「全然大丈夫！今日はありがとうございました〜！また飲みに行きましょうね」




足元がフラつくので帰りは電車じゃなくてタクシーで帰ることにした。タクシーに乗り込めば居酒屋で全く触ることなかった携帯を見る。



………なんだこれ。


倫太郎からの着信で通知画面が埋まってた。


めちゃくちゃ怖かったけど、“今から帰る”ってだけ返す。なんか同棲してるみたいだな。してないけど。そもそも別れてるけど。


タクシーがマンションの前に着くと、変な違和感を覚えた。あれ？私の部屋電気ついたまま……？

朝消し忘れたっけ？





足元がフラつきながら階段を上がり部屋の鍵を開けようとするも上手く鍵穴に入らない。

これ相当酔ってんなぁ


なんて他人事みたいに考えてたら、がちゃって目の前の扉が開いた。




「はっ！？泥棒………！？」

「違うから。恥ずかしいからさっさと入って」

「なんで、倫太郎！？」



私の部屋から出てきたのはまさかの倫太郎で、驚いた拍子に転けそうになった私を倫太郎が引っ張ってくれたおかげで倫太郎の腕の中に収まった。





「酒臭いんだけど、今まで何してたの？」

「飯綱先生と飲んでた」

「はあ！？」

「なんで怒ってんの？そっちこそなんで私の部屋に入れてるの？」

「この前スペアキー持って帰ってた」

「はあ！？」

「そんな怒ること？」






信じらんない、私たち教師と生徒だってこと弁えて欲しい。していい事とだめな事くらい分かるでしょ。




「今日はもう帰って」

「なんでそんな怒ってんの？俺だって飯綱先生とご飯行ったのむかついてるんだけど」

「飯綱先生はただの同期だよ」





引き下がらない倫太郎にイライラが募る。飲みすぎて頭が痛いせいか苛立ちが増してく。

私と飯綱先生が飲みに行くのがなんでそんな気に食わないのかわかんない。この間も好きなのは倫太郎だって言ったじゃん。この分からず屋。

倫太郎だって同級生の女の子たちと遊びに行ったりしてるじゃん。





「私たち別れてるんだから関係ないでしょ」





飯綱先生とのことにいちいち疑われるのが腹立ってつい言ってしまった。一番言っちゃいけない言葉。

取り消そうと倫太郎の顔を見たら
すごく悲しそうな顔してて、


「もういいよ」



私が謝る前に部屋から出てってしまった。






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