治くんとこの常連さん【HQ】 (ページ14)

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行きつけのお店の店主さん:5 ページ14

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目が覚めると自分の部屋にいた。
カーテンの隙間から見える外はまだ薄暗かったから、何時か確認しようと手探りで携帯を求めていたら、何かに当たって、いた、と声が聞こえた。

え？

「………モブ男？」

虚だった目が冴えた。バッと、布団の中を見る。………良かった、ちゃんと服着てるやん。昨日の服のままやしちゃんとストッキング履いてたから脱いではなさそう。

……昨日、迎えにきてくれたんだ。

優しいことされると今までされてきた悪いこと全部許しそうになる。

だけどもう無理だよ。もっと大事にされたいの。

それは我儘なんかなあ。

時計を確認すると5時を指してた。
モブ男が起きたら朝ごはんも作らないとやし、というか別れ話するし、時間なくなる前に先にお風呂入ろ。

敢えて温度をいつもより低くして、頭から浴びるぬるま湯に浸った。モブ男と過ごした数年間を思い出してく。ほんとうに大好きだった。

でも私の荒んだ心はもう限界みたい。

「あ、モブ男起きてたんだ。おはよう」

「………はよ」

恋人との優雅なモーニング。………みたいなメニューをいつもの癖で作ってしまったけど現実は別れ話をする前のカップル。空気が凍りそうなほどに重くて冷たい。

「昨日のメッセージなに？」

沈黙を破ったのはモブ男だった。

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