まさかあたしがモテるなんて！ (ページ5)

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囁くように言われ、少し照れてしまう。
『嫌とかじゃなく…』
「ジェシーずりぃ、俺もー！」
今度は森本くんに左手も握られ、囚われの宇宙人の気分になってしまった。
『森本くんまで？？』
狭い車内で、大柄の男性二人に挟まれ、手を握られ抵抗する間もなく車は動き出した。

(手汗…気になる。大丈夫かな。)
さり気なく手を振りほどこうとすると、両サイドから子犬のような目を向けられいたたまれなくなり、されるがままになるしかなかった。

20分ほどでお店に着き2人に手を握られたまま車から降りると、高地くんに2人はお叱りを受けていた。

「全く、油断も隙もないなあの2人は」
ね？と、近い距離で田中くんに笑顔を向けられどう反応すればいいかわからず、戸惑っていると横から松村くんが田中くんを無言で回収して行った。
「ちょっ、え北斗？北斗ー？」
「油断も隙もないのは樹も一緒だよ。」
呆れたように京本くんがあたしの隣に並んだ。
「さ、お先にお入りください。」
なんてね、とおどけて京本くんにエスコートされるようにお店に入った。

個室の和食屋さんで、とても静かな場所だった。
『素敵なお店。』
そう呟くとお座敷に案内された。
「Aさん、俺と北斗の間に座りなよ。」
髙地くんがそう言って、自分の隣をトントンとおいでとしてくれた。

「何で高地と北斗の隣なんだよー」
他の4人は、不満そうにブーブーとブーイング合戦。
「お前らが横にいたらAさんゆっくり食べられないだろ！」
「いいからおいでAさん。」
松村くんにも言われて、確かにこの2人なら…。と少し安心して2人の間に座らせてもらった。

『お邪魔します。』
「あはは、そんな緊張しないで？」
「そこまで緊張されるとこっちも疲れちゃうよ。」
『ご、ごめんなさい。』
「いや、そんな謝らなくても」
松村くんは少し焦ったようにそう言ってくれる。
「じゃあ、Aちゃんとの親睦会という事で！」
田中くんが、指揮を執る形でまずはビールから飲もうか！と、人数分注文してくれた。
「あ、Aちゃんビール飲めた？？？」
『あ、はい平気ですよ。』
「良かった。」

(だけど、こうして見るとすごい絵面)
目の前には田中樹くん、京本大我くん、ジェシーくん、森本慎太郎くん、両隣には松村北斗くんと高地優吾くん。
人気アイドルに囲まれながら食事なんて。
『お、恐れ多い。』