まさかあたしがモテるなんて！ (ページ12)

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今日は、SixTONES以外にも色んな方がみえる収録の日のようだ。なにわ男子さんの様な衣装をと、樹くんにお願いされたすけど、なにわ男子さんの曲に本番で乱入するらしい。

(なにわ男子さんのメンバーさんをみんな可愛がってるのかなぁ。)
何だか微笑ましく思った。真逆のイメージを持った後輩のグループを可愛がる6人。想像するだけで心が和む。

｢Aちゃん｣
『あ、北斗くん。似合ってますね、ピンクの衣装も』
｢ありがとう。それより、さっき様子おかしくなかった？｣
心配そうに顔をのぞき込まれてドキリと胸が鳴る。
『平気ですよ。ちょっと疲れが溜まってただけみたいです。』
｢そう…。｣
北斗くんの右手があたしの右頬を撫ぜる
心拍数が跳ね上がり、固まってしまうあたしを北斗くんは先程の樹くんの様な表情を浮かべる。

『北斗くん？』
｢無理しないで。休める時は休んで。｣
『皆さんの方が多忙じゃないですか。』
｢素直に受け取ってよ。お願い。｣
『…わかりました。』

何だか彼らのこの表情に弱いな。
と、言うか心がザワザワする。

｢Aちゃんに倒れられたら俺ら気が気じゃないから。｣
『はい。』
｢ん、いい子。｣
ポンポンと頭を撫でられ、そのまま彼は去っていった。
『何で、そんなに気にかけてくれるんだろう。』

高地視点

10数分前

｢樹、無理に思い出させようとするなよ。あの食事会で決めたろ。｣
｢…分かってるよ。分かってるけど。｣

あの食事会でAちゃんが眠った後、慎太郎が1つ気になることを思い出したと話をした。

｢あの事があった後にね、Aちゃんが先輩みたいな人に怒られてる…というか冷たい言葉を浴びせられてるの見たんだよ。｣
｢え？｣
｢多分やっかみだとは思うけど、かなりショック受けるっぽかった。声かけたかったんだけど、かけづらくてさ。｣
慎太郎は心配そうに眠っているAちゃんを見つめてもう一度口を開いた。
｢その後も、何回かそういう場面みて。多分先輩に酷く冷たくされてたみたい。｣
「……いい気分はしないよな」
樹が眉間にシワを寄せて低く呟いた。
「その時の辛い記憶と、俺らとの記憶がセットになって忘れてるとしたら…。」
慎太郎が辛そうに寝ている彼女を見ると、他の奴もチラリと彼女を見る。
「…無理に思い出させないようにしよ。」
北斗がAちゃんの前髪をさらりと払った。
「それがいい。」
ジェシーが泣きそうな顔で呟いた。