Part53 ページ6
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サボり場所を探して廊下を歩いていると、[図書室]と書かれたプレートが目に入った。
誰もいなさそうだったので図書室に入ってみる。
『やっぱ誰もいない、か...』
室内に誰もいないのを確認して、ふぅと溜息を吐いた。
寝ても別にいいけど、昨日結構寝たから眠くねぇんだよな...。
適当に時間を潰せるような本を求めて、デカい本棚に近付いていく。
『(...何だろ、この本)』
ちょっと高い段にある、背表紙に目が惹かれる本を手に取った。
ぱらり、とページを捲っていくと、何故か仄かに発光している文章たちが目に入る。
『(は?なんで文字が光ってんの?)』
表紙を見返してみると、その本は幼稚園児や小学校低学年の子が一番読みそうな本だった。
道理で文字が大きくて漢字も全くない訳だ。
...ありきたりなストーリー、でもそれを感じさせない文章力にあたしは圧倒された。
周囲になんて目もくれずに読み進め、ページを急いで捲る。
*
『あたしも...こんなの書いてみたいな』
読み終わって素直な感想がポロリと口をついて出た。
あたしに書けるかなんて分かんないけど、"人を傷つけた手"が"人を楽しませる手"に変われるのなら。
『...真面目に授業に出よっかな』
ある程度の出席日数は保っているけど、それじゃ足りない。
夢を叶えたい。
その衝動に任せて、あたしは走り始めた。
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赤羽愛松(プロフ) - なななさん» ひぇ、有り難きお言葉です〜!!(土下座)遅筆ながらも頑張って行きますのでよろしくお願いしますm(*_ _)m (2017年6月28日 22時) (レス) id: cd7c587832 (このIDを非表示/違反報告)
ななな - テスト前なのに面白くて一気読みしてたら親に怒られました。←更新頑張ってください! (2017年6月28日 21時) (レス) id: 386da7e4eb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:赤羽愛松 | 作成日時:2017年5月30日 0時