【最 俺】元ヤン実況主は交際中！

Part83 ページ37

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原稿を進める資料を検索している時も、あたしの名前や本の題名がチラチラと現れていた。


そんなに注目すべきものかねぇ...自分は大したことないかな〜とか思ってたんだけど。

あたしからしてみれば、随分と過大に捉えて騒いでいるようにしか思えない。だってただの新米作家だよ？ノーベル文学賞を取ったわけでもなければ、ベテラン作家という訳でもない。

まぁいいや。今のあたしにとって大事なのは、フジがちゃんとメッセージを受け取ってくれたかどうかだ。
傍から見れば、自分の出した本に想いを託すなんてただのラブレターより恥ずかしい。でネットで"月詠"として大っぴらには言えないんだからこの位のわがままは大目に見てほしいんだ。

Twitterや実写動画で発言なんぞしてみろ、特定厨に個人情報特定されて社会的に死亡すること請け合いだ。
同じあたしではあるけど、違う顔からそれとなく匂わせるくらい可愛いもんだ。相手が気付いてくれればだけど。



...さて。そろそろ作業を中断させようかな。

そう思ってノートパソコンを閉じ、大きく伸びをする。まだ治りきっていない痣でもあるのか、体の数カ所が鈍く傷んだ。

すると、あたしのスマホが控えめに振動した。画面をタップして見てみると、どうやらフジからの着信らしい。それを認識した瞬間、あたしの思考は一様に停止した。


え、え、もう電話なの、ちょっと待ってそんなの聞いてない！！！


あまりの動揺にスマホを2回ほど布団の上で取り落とした。"応答"の文字をタップすると同時に、ずり落ちたカーディガンを上げ直す。




「＿＿も、もしもし...？」

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