Part75 ページ28
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大体あんたは一番大事なとこで詰めが甘いんだから、油断するなって言ったでしょ!?とリオに叱られていると、徐に病室の壁掛け時計を見たリオが慌てて荷物を持った。
「...今回はまだ無事に済んだけど、こうなるとは限らないんだからね。恋愛の進捗だって話したいし聞きたいんだから、早く治して退院しないとシバく」
『...おう、了解』
最後にあたしに背を向けてそう言うと、リオは振り返ってくしゃりと微笑んだ。
待ってるから、と言って出ていくリオを見送った後、ぼふっと布団に突っ伏す。
『あぁぁぁ...治さねぇとシバかれる...』
1度甘んじてリオのシバきを受けたことがあったけど、普通に痛かった。なんで?
多分火事場の馬鹿力って奴だと信じたい。あれがデフォルトだと死人が出る、死人。
救急車どころか霊柩車に乗車待ったなしだ。
翌日、刑事と名乗る男女二人組が病室を訪ねてきた。
「お辛いかとは思いますが、被害をお受けになった際の詳細を教えて頂けませんでしょうか」
先輩かと思われる女性刑事さんが流れるように警察手帳を見せたあと、少し申し訳なさそうな表情でそう尋ねた。若い男性刑事はメモを取る係の様で、女性刑事さんの斜め後ろに控えている。
やっぱり警察は縦社会って事なんだなぁ、多分。
女性刑事さんの質問の内容は、おおよそ昨日リオに話した内容と一致していた。暴行はどのようなものだったか、とか助けに来た四人はどうこう、とか。
そして犯人との面識の有無に出版社での打ち合わせで何度か見た事はある、と答え終わって女性刑事さんが頭を下げると、男性刑事がぼそっと零した。
「ストーカー被害に遭ったのって、月見里さんも悪いんじゃ...確か、小説家の月見里先生ですよね?男漁りで噂されてる...」
『は?』
意味が分からない言い掛かりに思わず喧嘩腰の声が出る。
なんだその噂、聞いたこともねぇぞ。
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赤羽愛松(プロフ) - なななさん» ひぇ、有り難きお言葉です〜!!(土下座)遅筆ながらも頑張って行きますのでよろしくお願いしますm(*_ _)m (2017年6月28日 22時) (レス) id: cd7c587832 (このIDを非表示/違反報告)
ななな - テスト前なのに面白くて一気読みしてたら親に怒られました。←更新頑張ってください! (2017年6月28日 21時) (レス) id: 386da7e4eb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:赤羽愛松 | 作成日時:2017年5月30日 0時