Part71 ページ24
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出来る限りの笑顔をみんなに向けると、キヨはケッ、とそっぽを向いてちょっと雑に病室のドアを開けて出ていった。
「礼言うくらいだったらさっさと退院しろっての、じゃあな!」
「素直じゃねぇなぁ」
「ま、和泉にはこれが精一杯なんでしょ。...そうだAちゃん、もうすぐ莉桜さんって人?が来るって」
『分かった』
「...俺はそれまで残ってるわ」
やれやれ、と言った風のヒラとこーすけも後を追うようにじゃあな、とかばいばーい、と言いながら出ていく。
え、ちょっと待ってちょっと待って、
__フジと二人っきりですか!?!?
待って無理無理無理無理無理だって!!
現状を認識した瞬間、身体が固まった。
未だに握られてる右手から、上がる体温やら感情やら何やらが全て筒抜けになってしまってる気がしてならない。
よく考えたら手ぇ握られてんじゃんか!!!もしかして意識ない間も握られてたんですかねぇ!?多分そうだわ!!
「...ねぇ、Aちゃん」
『は、はい、何でしょう...』
静寂を叩き割る...と言うには静かで、何処か緊張を帯びたフジの声が病室に響いた。
それに驚いたあたしもつい敬語で答える。
「あの時、俺に電話掛けてきてくれたのって偶然、なの?」
『半分は偶然だけど...もう半分は、偶然じゃ、ない』
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赤羽愛松(プロフ) - なななさん» ひぇ、有り難きお言葉です〜!!(土下座)遅筆ながらも頑張って行きますのでよろしくお願いしますm(*_ _)m (2017年6月28日 22時) (レス) id: cd7c587832 (このIDを非表示/違反報告)
ななな - テスト前なのに面白くて一気読みしてたら親に怒られました。←更新頑張ってください! (2017年6月28日 21時) (レス) id: 386da7e4eb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:赤羽愛松 | 作成日時:2017年5月30日 0時