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そんな俺に対して、トントンは大きくため息を吐いて気付いてんで、と呆れたような声音で言った。
｢...え？何が？｣
｢森崎さんのことに決まってるやろ。あんな、お前が俺らに対して吐いた嘘が一度でもバレんことあったか？｣
｢う"っ...｣
ない。一度もない。
普通に話している時の冗談はもちろん、ゲームしてる時の駆け引きでも無い。何故か俺の嘘だけ面白いくらいバレるのだ。しかも個人名で当てて来やがったってことは、トントンはAに対する俺の気持ちを知っている。
...ん？
｢あのートントンさん。つかぬ事をお聞きしますが｣
｢なんや急に。気持ち悪いな｣
｢俺"ら"とは具体的にどういうメンバーですかね...？｣
恐る恐るトントンに尋ねたその瞬間、校舎から屋上への唯一の道であるペントハウスの扉がけたたましい音を立てて開いた。
｢ようシャオロン！話は全部聞かしてもろたで！！｣
｢シャオロンさんちっすちっす！｣
｢シャオちゃんにも春が来たんやな...俺嬉しいわ、グルちゃん赤飯炊かな！｣
｢あれだけ部活やゲームに熱中しているシャオロンが恋とはな...中々興味深いゾ｣
｢シャオさんが好きな子ってどんな子なんか気になるめう〜｣
｢あのー...取り敢えず落ち着かへん？｣
ぐぎぎ、と錆び付いたかのような動きの鈍さで嫌がる本能を押し切りペントハウスの方向を見やると、見慣れた面々がニヤニヤしながら立っているのが目に入った。うせやろ！？
｢な、おま、なん、｣
｢すまんなシャオロン。コイツらどうしても"盗み聞きする"言うて聞かんかったんや｣
｢マジ信じられんお前ら！！！今すぐ記憶全部消せや！！！！｣
最早半泣きになってあいつらを追いかけ回す俺は、この後騒がしさに気付いてやってきた教師に俺だけ死ぬ程叱られることをまだ知らない。
(隠してたつもりやったのに、とうとう顔に出てしまったようなんや。「恋してるん？」とあいつらに揶揄われてまうほどに。)
しのぶれど色に出にけり我が恋は ものや思ふと人の問ふまで
やは肌のあつき血汐にふれも見で/em→←ものや思ふと人の問ふまで
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作者名：鳳仙夏 | 作成日時：2018年1月24日 16時
