ツンデレ王子と白鷲のお姫サマ②[白布賢二郎] (ページ6)

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53*母親ってやつは… ページ6

白布賢二郎side

頭いてぇ。
Aの家で世話になるもまだ熱がありそうだ…

携帯には母親から連絡が来ており、斎藤先生経由で俺の体調と所在地を聞いたらしい。
連絡を入れてみると母さんが電話に出て体調の心配とお世話になっている家の方に挨拶がしたいと。

隣にあるAの部屋をノックすると部活に行く為か、制服姿で俺のそばに駆け寄って抱きついてくるから胸がうるさい。

｢起きて大丈夫？お熱はまだあるね…
昨日の夜、おじいちゃんも様子見に来たんだけど果物置いて帰ってったよ。
部活は完全に治ってから出て来いって。｣

｢…鷲匠先生来てくれたのか。
昨日は迷惑掛けた…ごめん。｣

｢謝らなくていいよ。
病気の時くらい甘えて。朝ごはんもお母さん用意してたから食べに行こ。｣

手を引かれ１階に顔を出せば初めて会うAの父の姿もあり、緊張しかねぇ。

鷲匠先生の息子…あんまり似てないな。
挨拶すれば温厚でAの父親だなと感じられる人。

朝ごはんを戴き、仕事に出るお父さんを見送り、Aも部活に行くから俺も寮に戻ろうとするも…

｢すぐ帰ってくるから良い子に寝ててよ！
お母さん、賢ちゃんよろしくね。
いってきまーす｣

｢いってらっしゃい。
賢ちゃんも治るまでは家に居てね。｣

｢お世話になりっぱなしですみません。
助かります。
…それと家の母がお礼を言いたいらしく電話口ですが話してもらっても良いですか？｣

お礼なんて良いのに〜と言われるも、掛かってきた電話で母親同士で話してもらった。
家の親の事だからそのうち直接挨拶に来そうだ。

｢いいえ、親元を離れて頑張っているので…賢二郎君は礼儀正しくて立派な息子さんですね。｣

…目の前で褒められるのもこそばゆい…
再び受け取った携帯を手にA兄の部屋に戻りつつ母さんの話に耳を傾けた。

｢鷲匠先生の息子さんの家にいたのよね？
同級生の女の子の家なの？｣

｢そうだけど。｣

｢一応聞くけど彼女のお家に居るってこと？｣

｢改めて口にすんなよ…
そうだよ、鷲匠先生の孫娘と付き合ってんの。｣

｢いい？間違っても学生のうちに妊娠とかさせちゃ駄目だからね。｣

余計頭が痛くなって来た。
俺の母親は少しヤンチャをしていた為に若くして兄を産んでいる。

…妊娠なんてさせねぇよ、そんな無責任なこと…

｢女っ気無かった賢二郎に彼女ねぇ｣

舌打ちをして電話を切った。

薬のせいか眠けに襲われる。
早くA帰って来ねぇかな。
会いてぇな