40*片道切符を賭けて。 ページ41
白布賢二郎side
思い出しただけで腹が立つ。
良い笑顔で煽るとは聞いていたが、アレの事だろう。
牛島さんが及川は白鳥沢に来るべきだと言っていたのは知っている。
俺から見てもセッターとしての及川に魅力を感じざる得ない。
口から出た舌打ちにバスの隣に乗る太一がこちらを見るも、眠気のせいかすぐに前を向いていた。
「けーんじろー勝ったのにイライラしちゃってどったのー?」
「何か悩みでもあんのか?」
「いえ、特には。」
天童さんと瀬見さんが尋ねてはくれるも、明日は及川のいる青葉城西との決勝で、余計な事を言うのもどうかと思った。
それでもこちらを見るのをやめない天童さんの視線。
「Aちゃんのことでしょ?
及川と居たもんね。」
「いえ、及川と居たのではなく、途中から及川がAの隣に行っただけです。」
「よく見てんじゃん!
やっぱり元カレって事気にしてんのー?」
セッターとしての及川は気になる。
なら、Aの元カレとしての及川はどうだ…
Aが今も尚気持ちが及川にあるのなら相当嫌な存在になる。
自分で言うのも薄ら寒いが、Aは俺の事を好きでいてくれているから脅威ではない。
コートから見えた二人は、Aの迷惑そうな顔。
「元カレの及川は特には。
ただAが嫌そうな顔をしてるのを見るのも、馴れ馴れしく触られてんのは腹立ちますけど。」
「嫌なもんは嫌だよねー。」
「…明日も勝ちたいです。」
指に巻かれたテーピングを解きながら、先程触れた柔らかさを思い出す。
同じ場所に自らの唇を触れ、明日はぜってぇ負けたくねぇと誓う。
翌日の決勝
センターコートで対峙する及川は牛島さんに突っ掛かっていた。
見上げた観客席には白鳥沢の生徒の中にAの姿を見つけ小さく手を振っているから片手を挙げる。
「おはよう、白布ちゃん。
今日はよろしくね。」
「気安く呼ばないでもらえますか。」
「ほんっと生意気だよね。
後輩の中で群を抜いてる。」
「ありがとうございます。」
「おい、他校の後輩に絡んでんじゃねぇよ。集中しろ。
コイツが悪かったな。」
青城のエース岩泉。あの人のほうがまともに話が出来そうだ。
始まった試合に、青城を弱いとは思わなかった。
及川中心に連携の取れたチーム。
人間としては難がありそうだが、バレーに対しては真摯な事だけは伝わる。
だが、強いのは牛島さんで。
結果を見れば勝ったのは白鳥沢。
全国に行くのは俺達だ。
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モカ(プロフ) - バニラさん» わぁ!嬉しいです!白布君かっこいいですよね!更新頑張ります! (2020年4月5日 16時) (レス) id: d3f4b94a5b (このIDを非表示/違反報告)
バニラ(プロフ) - 白布君がイケメンすぎて、、毎日更新楽しみにしてます! (2020年4月5日 14時) (レス) id: 077e9ee44f (このIDを非表示/違反報告)
モカ(プロフ) - q66さん» コメントありがとうございます!キュンキュンしてもらえて嬉しいです!叫ばせてしまい…相手はツンデレの白布君なのでどうなるか… (2020年3月27日 8時) (レス) id: d3f4b94a5b (このIDを非表示/違反報告)
q66(プロフ) - いつもキュンキュンしながら見てます!!白布くんとの次の段階に進むのが進まないのかもう、気になりすぎて叫んでます笑 (2020年3月27日 2時) (レス) id: 934092aeb0 (このIDを非表示/違反報告)
モカ(プロフ) - タナさん» コメントありがとうございます!キュンキュンしてもらえて嬉しいです!こんな人…居ると最高なんですけどね… (2020年3月24日 17時) (レス) id: d3f4b94a5b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:モカ | 作成日時:2020年3月15日 9時