28*こどもの日。白布君の話。 ページ29
白布賢二郎side
練習が終わるとAと太一が天童さんに捕まっていた。
側に近付くと嬉しそうなAとは裏腹に二人のニヤニヤとした顔が面倒臭い。
用事があるAをバス停まで送り、もらったケーキを手に部屋に戻れば何故か天童さんがいる。
サイズ的にも大きいケーキは箱を開ければフルーツタルト。
｢食います？｣
｢食う。｣
｢いいのー？｣
切り分けて二人の前に置き、俺も食えば部活後の疲れた体に染みる甘さ。
お母さんの影響か料理が好きだって言っていたな。
｢おいしーねー！
さっきね及川と別れた理由聞いたよー。
賢二郎は？なんで付き合ったの？｣
｢俺は別に。普通に付き合っただけです。｣
*
クリスマス当日
様子がおかしい事、本人はきっと隠していたから日中は触れず。
部活のあと、まだ電気の付いていた教室に向かえば机に伏して眠る黒髪。
声を掛けるも起きる気配は無く、興味本位でその黒を撫でれば思いの外柔らかい。
好きだった
最初は馴れ馴れしい奴と思った
いつもなんか食ってるし
会う度に笑って声を掛けてきて、穏やかな空気感が隣に居ると心地良くなっていた
その反面で彼氏が居る事は知っていた
惚気る事は無かったからどんな付き合いをしているかは分からないがきっと幸せに愛されてるんだろうと横顔を眺めるしか無かった
｢もう…優しくしてよぉ…｣
｢自分の彼女以外に優しくする気ないから。｣
｢…白布君ってそんな感じする。
太一帰った？｣
なんでそこで太一の名前が出てくんだよ。
二人は仲良いから仕方ねぇけど。
｢太一なら帰った。｣
｢だよね。
……やっぱり白布君慰めてよ。｣
｢分かって言ってんの？｣
｢思いの外落ち込んでるから優しくしてくれるなら今日は誰でも良いし｣
おざなりな言い方と用が無いなら帰れと言わんばかりの視線を向けてAは再度机に伏せた。
舌打ちに顔を上げるから、アゴを掴み更に上に向かせ顔を近付けた。
キスする寸前で止まれば、なにか言いたげな視線と交わる。
｢慰めて欲しいなら俺と、付き合えば？｣
｢…薄々思っていたけど、白布君って私の事好きでしょ？｣
｢お前が別れるのずっと待ってたから。」
｢………いいの？
別れた次の日だよ？｣
｢良いよ。
だから…俺の事好きになれよ。」
｢…強引だね、それ。
……白布君の事、好きになれると思う、から。｣
一瞬の触れただけの口付けに内心浮かれた。
悟られない様、顔を見られない様、そっと抱きしめて隠した。
29*こどもの日。もしもーし。→←27*こどもの日。鷲匠さんの話。
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モカ(プロフ) - バニラさん» わぁ！嬉しいです！白布君かっこいいですよね！更新頑張ります！ (2020年4月5日 16時) (
レス) id: d3f4b94a5b (このIDを非表示/違反報告)
バニラ(プロフ) - 白布君がイケメンすぎて、、毎日更新楽しみにしてます！ (2020年4月5日 14時) (レス) id: 077e9ee44f (このIDを非表示/違反報告)
モカ(プロフ) - q66さん» コメントありがとうございます！キュンキュンしてもらえて嬉しいです！叫ばせてしまい…相手はツンデレの白布君なのでどうなるか… (2020年3月27日 8時) (レス) id: d3f4b94a5b (このIDを非表示/違反報告)
q66(プロフ) - いつもキュンキュンしながら見てます！！白布くんとの次の段階に進むのが進まないのかもう、気になりすぎて叫んでます笑 (2020年3月27日 2時) (レス) id: 934092aeb0 (このIDを非表示/違反報告)
モカ(プロフ) - タナさん» コメントありがとうございます！キュンキュンしてもらえて嬉しいです！こんな人…居ると最高なんですけどね… (2020年3月24日 17時) (レス) id: d3f4b94a5b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：モカ
| 作成日時：2020年3月15日 9時
