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14*疑問と畏怖とほんとにね。 ページ14

「………」


なに?
白布君が無言で見てくる。
何かを訴えているのは分かるけど、わかんない。

あと、怖い。

藍ちゃんにも聞かれるけど分からない。



分からなすぎて隣のクラスにいる太一の元に行くと机で寝てるから揺さぶって起こした。


「太一、賢ちゃんになにかしたでしょ?
朝から凄い不機嫌なんだけど」

「…賢ちゃんなら昨日から不機嫌だけど。」

「そうなの…?」

「Aこそ昨日の帰り、誰といたの?
買い出し行ってた部員がAの事見た奴いて、それ聞いてから機嫌悪い。」


心当たりしかなくて口を噤んだ。
昨日は学校まで来た徹先輩と居て、結局一緒に帰った。
…帰りたくは無かったけど。


「元カレが来たの。
私も意味分からなくて。」

「…青城の及川とホントに付き合ってたんだ。
すっげぇイケメンじゃん。」


その全く興味無さそうな顔…
興味持たれてもイヤだけど。

太一のガムを貰い再び教室に戻った。


やましい事はしていない
元カレが徹先輩とは言っていない。
言う意味も無いと思っていたから。

ただ、白鳥沢と青葉城西は大会の度に試合をしてるから面識だけはあるだろう。


問題は徹先輩の性格が悪い事で、賢二郎にちょっかい出さないかが心配だ…


「し、白布君…」

「…何。」

「一緒に購買行きませんか?」


賢二郎の事は大好きだけど…如何せん雰囲気の怖い人だから話し掛けるのに地味に勇気が必要な時がある。
決して嫌いと言う感情は持ち合わせては居ないが。


「…
良いけど。」


立ち上がる賢二郎の後ろを付いて行き、購買行くのか?と改めて聞かれるから首を横に振った。
行き着く先は人の来ない屋上。


「賢ちゃん怒ってる?」

「お前の返答次第。
昨日、誰といた?」


ゆっくりと紡がれるから言葉に重みを増す。
じっとりとした目は据わっていて、返答も何も怒ってるじゃん!と心の中で突っ込んだ。


「元カレ、来たの。
待ち伏せされてて。」

「青城の及川が元カレね。」

「…うん。中学の先輩。」

「寄り戻すのか?」

「…何でそんな事言うの…」


拒絶された様な気持ちに胸が傷んだ。
隣に座る賢ちゃんのギョッとした視線に目から溢れる涙に気が付く。

徹先輩の事は大好きだったし、別れた理由も納得した上で受け入れた。


「わざわざ来たってことは復縁にでも来たんだろ。」

「理由はよく分からなかったけど…
寄り戻さないから。」

「…なんで?」

「なんでって私、賢二郎が好きなんだよ…?」

「……ごめん」

15*隠し事の消却→←13*騒ぎの中心点



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モカ(プロフ) - バニラさん» わぁ!嬉しいです!白布君かっこいいですよね!更新頑張ります! (2020年4月5日 16時) (レス) id: d3f4b94a5b (このIDを非表示/違反報告)
バニラ(プロフ) - 白布君がイケメンすぎて、、毎日更新楽しみにしてます! (2020年4月5日 14時) (レス) id: 077e9ee44f (このIDを非表示/違反報告)
モカ(プロフ) - q66さん» コメントありがとうございます!キュンキュンしてもらえて嬉しいです!叫ばせてしまい…相手はツンデレの白布君なのでどうなるか… (2020年3月27日 8時) (レス) id: d3f4b94a5b (このIDを非表示/違反報告)
q66(プロフ) - いつもキュンキュンしながら見てます!!白布くんとの次の段階に進むのが進まないのかもう、気になりすぎて叫んでます笑 (2020年3月27日 2時) (レス) id: 934092aeb0 (このIDを非表示/違反報告)
モカ(プロフ) - タナさん» コメントありがとうございます!キュンキュンしてもらえて嬉しいです!こんな人…居ると最高なんですけどね… (2020年3月24日 17時) (レス) id: d3f4b94a5b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:モカ | 作成日時:2020年3月15日 9時

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