ツンデレ王子と白鷲のお姫サマ[白布賢二郎]

10*好きなタイプと昔の男 ページ10

白布賢二郎side


通常より早く切り上げられた部活。

｢賢二郎、山田。予定があんだろ。さっさと行け。｣


着替えてから山田と一緒に花見会場に来るも少し先で絡まれてるAを見つける。
自然と出た舌打ちに山田は一歩引くから先にクラスの奴等の元に行くよう伝えた。


助けてやるも危機感の無さにイライラするが、｢お団子食べる？｣なんて間抜けな顔を見たらどうでも良くなった。


クラスの奴等の所に着くと飲めや食えや｢部活おつかれ｣と迎え入れら、担任は…アイツ酒飲んでんのかよ…


｢おい、雪村。お前、Aの保護者だろ。
一人で歩かせんなよ。｣

｢白布おつかれー
保護者ってなによ。…あ、ナンパ？
Aかっわいいもんね。｣

｢あ、藍ちゃん…！
ごめんね、私もボーッとしてて｣

｢もしかして白布に助けられたの？どこの王子だよ。｣


ケラケラ笑う雪村も酔っ払ってんのか？
困ってるAは可愛いかよ。
制服姿も好きだけど私服も可愛いな、こいつ

帰りは家まで送って行こうと決め、男子の輪に入る。


｢白布兄さんおつー！
ミキとコージ付き合ったんだぜ｣

｢へぇ、良かったじゃん。｣

｢あざっす！
白布の兄貴はこっちの方はどうなんスか？｣


コージが小指を立てて見せてくる。

受け取った紙コップにお茶を注がれ、口を付けのどの乾きを潤した。


｢…今は部活に集中したいからいらない。｣

｢硬派…！流石白布兄さん！｣

｢お前らのそのキャラなんなの？酔っ払ってんのか。｣


Aから貰った団子を食いつつ、差し入れの桜餅美味かったな…とふざけ合うこいつ等を見た。
少し先で女子同士で楽しそう笑ってる顔に頬が緩むのを感じ、すぐに唇を引き結ぶ。


｢白布は良いよな。鷲匠に好かれてるからキープ出来てる状態だろ。｣

｢…言い方。
キープじゃねぇよ。｣

｢勿体ねぇよなー。
鷲匠で駄目なら兄貴はどんな女子がタイプなんだよ。｣


こいつ等の声がうるせぇからA周りの女子も紙コップを手に集まってくる。
なに、今日のテンション…

そこにAも居て、俺をじーっと見てる。
アイツぜってぇ楽しんでやがるな。


｢…タイプとか特にねぇけど。｣


｢そう言えばさ鷲匠って去年彼氏いたよな？｣


話を振られたAは食おうとしていた団子と友達を見比べて、一口食べた。


｢1年のときの話をだから…｣

｢他校のすっげぇイケメンだったよね？｣


言い難そうにAが黙る。
俺と付き合ったのはソイツと別れた後すぐの事。

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