先生だって恋をする。 (ページ8)

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距離感なんかわかんないよ。ページ8

「竜くん。」
「先生って、俺にだけ必要に距離あるだろ。」

兄貴にはズケズケと話すし。
光輝たちは平気でからかうし。
奏さんたちもなんか遠ざけてるけど、それはちょっとちがくって。

「俺だけ、”目合わせて”くんねえ。」
「うそこけ、いまちゃんと…。」
「そういうんじゃない。ちげーんだよ、」

うまくいえねえけど…。
そんな風にもごもごと、思ったことをありのまま突きつけてくるきみ。
兄に似て、けれど違う強さとしなやかさを持ってるきみ。

あーあ。
「惚れたもんの負けなのかね、」
「何言って…、は?」

「好きだよ、竜くん。」
きっと、きみは嫌悪するだろうけど。
笑いながら僕は言ってやった。

それはきっと、綺麗な笑顔ではなかっただろう。
痛々しい、顔だったんだろう。
目の前の竜くんが仰天しているのは確かだった。

「考えなくていいさ、ただそういう物好きがいたって。」
なんでもないさ。
ただ、それだけなんだから。