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野生の勘は鋭すぎる。 ページ5

「せんせーって、いつも一人だよな。」
尊人くんは見つけた僕に苦笑しながらこぼした。

「そんなこと言ってないで。それより、ちゃんと卒業できる?」
痛いところをつかれたお返しか、嫌がらせか。
クスリ、そうこぼして視線を逸らした。

「寂しいなら寂しいっていやいいのに。」
「年下に甘えるほど、弱くはないぞ?」



「A、嘘、下手だよな。」
観察眼がそんなに鋭いだなんて、聞いてない。



歳を重ねるごとに、強くなったと思っていたのに。
弱くなってる自分がいる気がして。

教わったことを、間違えることなく。
確かに正しく生きているのに。
足元がグラグラするのはどうしてなんだろう。

今は確かに、アスファルトの上なのに。


そんな、僕よりは大きいかも知れないけれど。
無垢な背中に何かを背負わせることはできないから。
思いはとどめてしまうのだ。



「とりあえず、せめて先生って呼ぶこと。」
「いっ、叩くなって!」

人生の先輩と、経験値高いきみ。→←名前のごとく眩しいよ。



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作者名:シラハマ00 | 作成日時:2020年4月29日 2時

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