名前のごとく眩しいよ。 ページ4
光輝くんは、とても素直だと思う。愚直だ。
それが今は痛々しいと思ってしまった。
でもまあそれって、おせっかい極まりないよなあ…。
「A先生、」
「あ、ごめんごめん。」
「先生は…、先生は王子を目指したいと思わなかったんですか?」
「確かに…。」
「綺麗っすよね、A先生。」
「遠目からだと完璧女性みたいだし。」
「はじめて会ったときまじびっくりしたわ。」
ちょっと、ななめ上からの質問で。
そういえばお誘いはあったなあとか。
理事長は期待の眼差しだったなあとか。
後ろの二人も盛り上がってるけど。
…だけど。
「ガラじゃないでしょ、僕は。」
「でも…、」
「多分ね、そんな”称号”よりも。”愛”が欲しいんだ。」
隣の君は、わからないだろうけれど。
なんて皮肉をどこかに込めて。
人知れない涙をすくってくれるのは誰なのだろうか。
どうしてこんなに、僕は寂しいんだろうか。
光輝くんを待ってた海司くんと陸くんが。
とても寂しそうに顔を見合わせていたことなんて気付かないまま。
どうしてその表情を、僕に向けたかったのかも。知らないまま。
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作者名:シラハマ00 | 作成日時:2020年4月29日 2時