吹っ切れようか、 ページ12
「悪いけど、もうお前の手には乗らない。」
「急に強気じゃん?」
「そうかもね、そうかもしれない。らしくないと自分でも思うよ。」
でも。
「もう僕はお前のこと怖くないし、なんとも思わないんだ。なびくこともないよ。」
「俺様をふるって?」
「客としてくるなら別だけど、それ以上にはならないよ。」
一生ね。
目の前にいるのは例のマイティの青年。
でもその表情は、気に食わないといった感じのものだった。
悪いね。
もう僕は独りじゃないから、弱くないんだ。
どう言う算段だったか分からないけど、予想通りじゃなくてごめんね。
顔は割とタイプだったかもしれないよ。
そんなことをふと思った。
時間は少し戻る、今日の朝くらいに。
山王のみんなと対策会議をした結果、
行動の仕方や範囲を考えよう。ってことに決まったけど。
バイト先で(まあまずそうないんだけど)、指名があった時はどうにもなんない訳で。
そして現地へ足を運んだら、案の定って感じだった訳です。
目の前にいたよね、ヤツは嬉しそうに。
人の悪そうな顔をしていた、美人が台無しだろうに。
でも、先日の電話のおかげかな。
ううん、それもあるけど。
いつも一緒にいて励ましてくれてるチハル以上に力強い味方がいるもんか。
…それに少し、リクくんの件だって。
僕は根に持っているんだ。
忘れないでほしい。
だからもう、僕の足元はすくむことを知らなかった。
言いたかった恨みつらみに似た何かを。
冒頭のように、ただ冷静に告げた僕。
面白くないけど、面白そうな笑みを浮かべて。
納得したのかどうか分からないけど。
「ま、しばらくはやめとくわ。」
でも、気が変わったらいつでもいいんだぜ?
ニヒルに笑って、そんなようなことを言って。
湾岸方面にやつは去っていった。
安心しろよ、
そんなことは訪れないからさ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 32人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
シラハマ00(プロフ) - 亜李須さん» コメントありがとうございます。亀更新ではありますが、どうぞよろしくお願いします。 (2019年9月1日 10時) (
レス) id: ae94c688cd (このIDを非表示/違反報告)
亜李須(プロフ) - このシリーズ楽しみにしてました！更新頑張ってください！ (2019年9月1日 10時) (レス) id: 99d7320faf (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：シラハマ | 作成日時：2019年8月30日 0時
