no name. ページ5
殺気バシバシの空間を切り裂いたのは、このメンバーの中のリーダーであろう人物。
「名前は?」
と、聞かれるけれど。
もちろん俺に、そんな記憶はなくて。
「ない、」
正確には、何も思い出せない。
俺が誰で、どこから来て、どこへ向かおうとしていたのか。
どこぞのフランス画家の作品のタイトルみたいな。
そんな疑問すら浮かぶ勢いで。
何もわからないのだ。
「じゃあさ!Aってどうよ!」
隣にいたバーニーは、嬉しそうにはにかむ。
悪い笑みを浮かべるけれど。
その名前は心地が良かった。
彼にとってそれは、嫌がらせの一部だったかもしれない。
それとも本気だったのか。
誰かを炊きつけたいが為の、石斧だったのか。
真相も心境もわからないけれど。
心地よかったのは仕方ない。
「いいよ、それで。」
名前がないのは不便だ、好きに呼んで。
俺は諦めたように、少し笑った。
もちろん、名付け親はびっくりしてるし。
その相棒はケラケラ笑ってるし。
他のメンバーも、ちょっと困惑してたけれど。
仕方ないんだ、それがちょうどいいって。
そう思ってしまったんだから。
だから、責任持てよ? バーニー。
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亜李須(プロフ) - シラハマ00さん» いえいえ!シラハマ00さんの作品最高です! (2019年8月24日 23時) (レス) id: 99d7320faf (このIDを非表示/違反報告)
シラハマ00(プロフ) - 亜李須さん» コメントありがとうございます。励みになります。 (2019年8月24日 23時) (レス) id: 164cfc7a3c (このIDを非表示/違反報告)
亜李須(プロフ) - 控えめに言ってまぢ最高です! (2019年8月21日 11時) (レス) id: 99d7320faf (このIDを非表示/違反報告)
はら - オリジナルフラグをちゃんと外して下さい (2018年6月6日 6時) (レス) id: a4d5ee9def (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シラハマ | 作成日時:2018年6月6日 4時