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Kiss ページ16

あなたにもらった銃は、あいにくと"失くした"。
その言葉に、二階堂さんはわずかに目を開き、そして眉をひそめたけど。
何事もなかったかのように
「そうか。」
とつぶやいて、俺を抱く。

あかく、燃えるような俺の髪を。
その手で抱きかかえる。
…その力は、まるで壊れ物を触るようだた気がしたのは。
きっと、絶対に。俺の気のせいだと、そう思いたい。

この人が、"本当"に人を愛するはずがないのだから。
"愛おしい"なんて、そんな人間らしい感情を。
…思うわけがないのだから。
かの、ノボルの時だって。いや、それ以前から。
様々な人たちを最もたやすく切り捨ててきた過去を。

俺だって、そんなことを言いながら。使えなくなったら。


ふと。
気づいたら、涙が零れてことに気づいた。
この人の前で泣くことだけは、しない。と。
ずいぶん前に、決めていたはずなのに。
"そういう弱さ"だけは、見せてはいけないと。

あってはならないと。

だのに、二階堂さんの手は。
今までに知らないほど、優しく暖かくて。
その涙は止まることを忘れたかのように、ただただ零れていく。


「…目が、溶けるぞ。」
無骨な、けれど、いやに綺麗な指が。
その涙をすくいとる。

「リリス、」
リンとしたその人の声は、やっぱり泣きたいくらいに優しくて。
「"おかえり"。」

初めてのキスは、解けるようで。

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亜李須(プロフ) - シラハマ00さん» いえいえ!シラハマ00さんの作品最高です! (2019年8月24日 23時) (レス) id: 99d7320faf (このIDを非表示/違反報告)
シラハマ00(プロフ) - 亜李須さん» コメントありがとうございます。励みになります。 (2019年8月24日 23時) (レス) id: 164cfc7a3c (このIDを非表示/違反報告)
亜李須(プロフ) - 控えめに言ってまぢ最高です! (2019年8月21日 11時) (レス) id: 99d7320faf (このIDを非表示/違反報告)
はら - オリジナルフラグをちゃんと外して下さい (2018年6月6日 6時) (レス) id: a4d5ee9def (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:シラハマ | 作成日時:2018年6月6日 4時

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