山王商店街の住人、だった。 (ページ6)

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イキているのに、イキがつらい3 ページ6

そこからの僕の不調さ、というか。
崩れ方というか。

ともかく、おかしくなるのは早かった。

なんでもないのに体調を崩したりとか。
学校に行くだけなのに、その"行く"がどうしようもなくしんどい。
とか。

ハヤトは器用だったから。
それでもあっちゅーまに、僕以外にも友人を作ってて。
(当たり前だけど)

でも僕にはそれができなくて。

あ、居る意味ってなんなのかなって。

くだらないけど、きにする必要なんてないんだろうけれど。
そんなこと思っちゃって。

三年生に、せっかくなったのに。
僕は夏で学校をやめた。

そこから、何もない。
無意味な一年がすぎる。
家から出ない、何もしない。

ただ、人として最低限の行動だけをとる毎日。

でも、それにも限界はくる。

家が珍しく忙しくて。
祖父母はたまたま出かけてて。
誰も、僕のことを気にいている暇がないタイミングを見計らって。

ふらっと、家を飛び出して。

湾岸地区、なんて言われてる。
僕らが住んでるSWORD地区よりも、
もう少し治安が悪い所にやってきたりなんかして。

ただ、海を眺めてた。
昼間はまだ暑いけれど…寒く、なってきた時期だったと思う。
なのに、薄着で。
最低限の持ち物を持って。

別に飛び込もうとかそんなことは考えてないけれど。

「消えちゃえばいいのに。」

気がついたら声になってたけれど。
そういうことを思う、くらいには。
何かがボロボロだった。

「だめだよ、A。」
もう、コーヒー飲めないじゃん?

いつもあんなに笑ってるのに。
見たことないくらいボロッボロに泣いているしんゆうが、いた。