白豚だって恋をする。【爆豪勝己】 (ページ10)

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爆豪くんは、雄英高校を志望してるらしい。

いつか私も、将来のことを見据えて考えなければいけない。

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「え、爆豪マジで雄英行くつもりなの⁉」

ガヤガヤとした教室の中、そんな声は私の耳へと鮮明に入ってきた。

声がした方に目を向けると、いつもの仏頂面で爆豪くんが男子たちと話している。

「受けちゃ悪りィかよ」

「いやー、どっか頭良い高校に行きそうとは思ってたけど、まさか雄英とは」

「格が違うわな」

(高校離れちゃうのかな……)

確かに、彼ならそんな偉業も成し遂げてしまいそうだ。

頭も良いし、運動もできるし、個性も強いし、私には無いものばかり持っている。

「えっ、爆豪くんって雄英受けるのぉ?」

「あ?」

そして、愛洲さんも私には無いものを持っている(ある意味)。

「すごいねっ!!爆豪くんならきっと受かるよっ!!」

「当たり前だろ」

「「(いや当たり前なんかい)」」

そんな彼女たちから目線を外し、私は自分の進路を考えてみる。

私の個性を生かせる道を選ぶとすれば、かなり選択肢は絞られてくるだろう。

もう少し、私の個性の応用を考えてみようか。

……って、まだ中一だけどね。

「お前ら席つけー」

ガラガラと担任が入って来た為、みんな自分の席へと散り散りになっていった。

「えー、この前近くの公園に不審者らしき奴が出たらしいから、気をつけて帰れよ」

あっ、これプリンの人じゃね?

やっぱり他の人から見ても不審者に見えたか……

「あと、今度職場訪問に行く。この紙に行く場所が書かれてあるから、今週中に行きたい所に丸をつけとけ」

そうやって担任が出した紙には、幼稚園やら警察やら仕事のリストが載っていた。

いよいよ私も将来のことについて、少しずつ考えていかなければならない。

嬉しそうに話し出すクラスメートを横目に、私は窓の外を見て深い溜息をついた。

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もうすぐ、職場訪問。

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