白豚だって恋をする。【爆豪勝己】 (ページ8)

今日:6 hit、昨日:1 hit、合計:77,373 hit

06: ページ8

...

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

今日、彼に対する悪口を聞いた。

色んな思いがぐちゃぐちゃになったけど、私は一つ決心できたことがある。

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

...

「…あんな豚と一緒にすんなっての」

「女子に興味ないからってアレは酷くない!?あーマジで腹立つ爆豪」

「やっぱ顔だけだわアイツ」

女子トイレで用を済ませ、個室から出ようとするとそんな声が聞こえて来た。

その内容に、私と彼の名前が出てきた為じっと耳を済ませて話している内容を聞く。

「つーかウザい。成績優秀、運動神経抜群、容姿端麗とか鼻にかけてんの!?」

「それにプラス爆破の個性でしょ!?何であんな性悪がそんな恵まれてんのよ…」

「ヒーロー志望らしいよ。あんな奴敵にピッタリなのにね」

ん？一部褒めてね？

その後も彼女達は愚痴を呟きまくり、チャイムが鳴ると慌てたようにトイレを出て行った。

私はゆっくりとトイレから出るも、授業に参加する気も起きず保健室へと向かう。

「…失礼します」

だが保健室には誰も居ず、「ただいま出張中」という張り紙がされているだけだった。

私はベッドに腰掛け、窓から校庭を見下ろしてみる。

そこでは爆豪くんが体育の授業の野球でホームランを打っていた。

「……いいなぁ」

嬉しそうにベースを踏む彼を見て、やっぱり歳相応の男子なんだな、と頬を緩ませる。

そんな彼は、きっと悪口なんかにも屈せず己の道を突き進んで行くんだろう。

私は、少女漫画に出てくるヒロインほどの勇気は持ち合わせていない。

あの場で出て行っても、多分返り討ちにされるだけだろうと心の中で言い訳をする最低な奴。

でも、だからこそ、

あんな風に楽しそうに笑う彼に憧れた。

彼がああやって胸を張って生きていけるのは、自分が努力して今を生きているということを知っているから。

私がこうして胸を張って生きていけないのは、何の努力もせずうじうじと過去を引きずって生きているから。

分かっている。

自分が胸を張って生きていける方法は一つしかないって。

「……絶対にアイツらを見返してやる」

...

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

ダイエット、今日から決行します。

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

...