白豚だって恋をする。【爆豪勝己】 (ページ7)

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今日、みんなから白豚と嘲笑われた。

私の体を指差してクスクス笑って、もう本気であいつらを殴りたいと思った。

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「あ、白豚が走ってる～」

「ギャハハ、デブがいくら必死で走ったって速く走れる訳ないのに!!」

やっぱり、昨日から白豚呼びがクラスに浸水してから私への悪口がかなり表面に出た。

先生に聞こえない程度で言っているから、尚更タチが悪い。

告げ口でもして評価落としてやろうか。

「おい邪魔だ」

「あっごめん爆豪くん!!」

「さっきの短距離速かったね!!何秒だった?」

だけど、彼を前にすると女は態度を一変するのだ。

散々愛洲さんにぶりっ子とか言ってるけど、お前らだって女子と男子で対応違うだろ。

あっ、それはほぼ全員そうか。

「…11秒07」

「速っ!?個性無しでそれってプロ並みじゃん!!」

そうやってキャーキャー騒ぎ立てる女子達を見て、他の男子は羨ましげな視線を送る。

やっぱり男子は女子にモテたいんだろうか。

次は移動教室だから、教科の準備をして彼らの横を通ると彼女達は私に視線を移した。

「ねー爆豪くんはさぁ、白絵(ブタ)のことどう思う?」

「ちょっとアレは太り過ぎじゃないと思わない?」

ワザと私に聞こえるように言われた声に、私は一瞬足を止めそうになった。

彼の声を、聞いてみたい。

でも、聞きたくないと叫ぶ自分もいる。

「……女なんてどれも同じだろ」

その言葉に、私はまた足を止めて彼の方を振り向きそうになってしまった。

初めてだ。

初めてだ、こんなの。

「っ……で、でもさ!!白絵さんって白豚ってあだ名付けられてるんだよ?」

「どう見ても他の女子より……さぁ?」

何なんだコイツら、ガチで殴ったろうか。

「は?てめェらも大差ねぇだろクソモブが」

…お前も何なんだよ。

女子とか他人に興味が無いからって、そんなこと言わずに愛想振り撒いとけばいいのに。

そしたら、顔いいんだから人気出るはずなのに。

「邪魔だ退け」

「あっ、ご、ごめ」

何で、私が一番欲しい行動をしてくれるの。

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でも、彼の言葉でそんな気持ちが吹き飛んでしまった。

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