白豚だって恋をする。【爆豪勝己】 (ページ22)

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リレーの練習。

爆豪くんの前に走ることになった。

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「次はクラスリレーの入場から退場まで通してやろうと思います! 」

そんな実行委員の指示により、私たちはクラスリレーの練習を始めた。

私は運動が得意ではないため、こういう行事には少し抵抗を感じてしまう。

(足引っ張るのだけは嫌だなぁ…)

「じゃあ白絵さんは最後から二番目ね‼ 前に速い人並べてるから安心して走って‼」

「えっ」

「Aちゃん、頑張れっ‼」

ぶりっ子の愛洲さんは、こう見えて運動神経は超抜群だ。

(ん??ちょっと待てよ……)

「アンカーってもしかして…」

「あ? ンだよ」

と、いきなり後ろから聞こえた低い声にビクリ肩が震える。

恐る恐る振り向くと、爆豪くんが眉間にシワを寄せて口を尖らせていた。

(失敗したら殺される…‼ つか恥ずか死ぬ…‼)

「位置についてー」

ふとそんな声が聞こえ、私は早鐘を打つ心臓を抑えながら愛洲さんを見つめる。

合図と共に抜け出した彼女は、トップバッターで次の子にバトンを渡した。

(やっぱ速いなぁ…)

「次、どうぞ‼」

そしてとうとう私の出番が回ってきて、緊張しながら位置に着く。

「あれ、あの子って川霧フッた子じゃね??」

「何それ草」

「あれじゃん、学年最高記録叩き出した子。といっても遅い方ね」

「え、ここで出すとか負けたいの??」

(うるっせぇデカい声で言うなよ‼)

内心荒ぶりながらも一位でバトンを貰い受け、私は全速力で走り出す。

後ろから聞こえる足音に戦慄しながら、なんとかインコースをキープして走った。

だが、

「っ、」

後ろから抜かそうとした男子の足が絡まり、私だけが転んでしまう。

立ち上がるまでの間に他二人にも抜かされてしまい、私は思わず唇を噛んだ。

「オイ、そこで諦めてんじゃねェよ‼」

「‼」

だけどそれでも彼は諦めてないらしく、こんな惨めな私に声を振り絞って激励してくれた。

走らなければ、と彼の言葉に突き動かされ私は最後の力を出し切ってバトンを渡す。

「爆豪くん‼」

「ああ、」

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そして、また助けられてしまった。

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