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「酔っ払いは信用してないって、だからって、あんな風にスルーして、こんな風に聞かなくたって」
「ごめんて。……でもまあ、Aチャンにしかやってないし？」
「……ますます、意味わかんないんだけど」
「うーん伝わらないか。あー、あのね……おれ、うれしかったのよ」
「うれしい？」
おれもおまえのことすきなんだよね。
その言葉はもしかしたら幻聴だったのかもしれないけれど、確かにそう聞こえた気がした。
目の前で憎たらしい笑顔を浮かべる黒尾の耳が、淡い紅色に染まっているのを見て、心臓が殊更大きく音を立てる。
それは、つまり、好意的に解釈してしまうと、『そういうこと』だろうか。
それが確信に変わったのは、黒尾の唇が紡いだ音を聞いた時。
そして私は昨夜からちっとも泣けずにいたのに、よりにもよって講義が始まる直前なのに、とうとう泣いてしまった。
ただでさえ今日の顔の調子は悪いのに最悪だ。
おまけに、想い人は横にいる。
私のわんわん泣き出す顔を見た黒尾は、大変失礼なことに「うわ、ひっでえ顔してる」と言いやがった。
最低、最低すぎる。
でも、それでもこの男が好きなのだ。
黒尾は堪えきれずといったように吹き出して、いつの間にか入ってきていた講師がぎょっと私達の方を見た気がした。
「こんなの、こんなのずるいぃい」
「ぶっ……ぶわはははっ」
「もう！！ 何笑ってるのよ！！ アンタのせいなんだから！！」
「ほらほら、もー、泣き止んでくださーい」
「うぇええん」
「コラ！ そこ！ 静かにしなさい！」
講師が叫ぶ声が遠くに聞こえる。
横にはずっとカタカタ笑う黒尾がいる。
私はもう、すっかり講義どころじゃなくなってしまって、今日の授業のノートは友達に借りるしかなさそうだ。
合図がなった。
講義が始まる音じゃない。
私と黒尾の関係が、きっともっと、素敵でくすぐったいような、幸せなものに変わる合図だ。
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黒尾鉄朗くん誕生日おめでとうハッピーバースデー
ちなみに全然ジャンル関係ないですがダイヤの御幸一也くんもお誕生日です。おめでとう。推し二人の誕生日最高かって
お気に入り登録、評価ありがとうございます！
朝起きたら順位がついてて驚きました。昨日の今日なのに。ありがとうございます。皆さんのおかげです。
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つばき - 川西のお話、鳥肌が立ちました。陰のある恋をしてほしいっていうの、同意します…！ (2021年2月14日 10時) (
レス) id: f1e42d3762 (このIDを非表示/違反報告)
桔梗(プロフ) - リムさん» ありがとうございます！ 頑張ります (2019年12月30日 22時) (レス) id: b9479cbc1c (このIDを非表示/違反報告)
リム - 赤葦の物語とっても切なくて涙が止まりません・・・泣 これからも頑張ってください! (2019年12月22日 2時) (レス) id: 7cc2098249 (このIDを非表示/違反報告)
桔梗(プロフ) - 天祢さん» そう言っていただけてうれしいです！個人的にも川西くんのお話が好きなので、刺さってくださる方がいて良かったなあと思います。更新を楽しみにして頂けるとうれしいです。コメントありがとうございました！ (2019年12月14日 15時) (レス) id: b9479cbc1c (このIDを非表示/違反報告)
天祢 - 読ませていただきました!勿論全部のお話が素晴らしかったのですが、元々最推しなのもあって川西くんのお話が特に良かったです。深いなぁ…と思いました。更新頑張って下さい!楽しみにしています(^-^) (2019年12月13日 21時) (レス) id: dfbff6b887 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桔梗 | 作成日時：2019年11月16日 13時
