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「夜久くん」
その声に振り向けば、いつだかと同じようなそこに笑顔で立つ高峰がいる。
あの時と同じように「小さいよね」とは言われなかったが。
勿論夜久の隣には黒尾がいて、黒尾はげらげら笑いながら「俺ちょっとトイレー」と言っていなくなった。
なぜ笑う、なぜわざわざトイレに行くことを報告する。
高峰は「黒尾くん戻ってこないでくださーい」といつもの調子で黒尾に絡みに行ったが、黒尾はちょっと笑って「今日は俺じゃないでしょ」と高峰をあしらって行ってしまう。
高峰はきょとんと見ていたが、みるみる耳を真っ赤まで顔を真っ赤にするので、今度は夜久がきょとんとした。
「……え、なに？ 高峰どうかしたのか？」
「……夜久くん」
「お、おお？」
「夜久くんって小さいよね！！」
「ハ！？」
何それ！ なんだったのさっきの黒尾とのやり取り！！
高峰は神妙な表情の真っ赤な顔をして、意味深な感じで意味深に話を切り出しそうだったのに、結局あの日と何にも変わらないやり取りに夜久は面食らった。
「でもコートにいる夜久くんはでっかいね！！」
「？？！ おう？！」
「春高見に行ったんだけど！！ 負けちゃったけど！！ 夜久くんかっこよかったなって思ったよ！！ 私的には夜久くんが一番かっこよくてヒーローだったんだけど！！」
「おっ、おう？！ ありがとう？？！」
「ところで夜久くんって大学はどこに行くのかな！？ 出来れば私に教えて欲しいし出来れば私とお付き合いして欲しいんだけど！！」
「大学は……って、ハ？」
「……！！ っ！！？！」
可哀想なぐらい顔を赤くした高峰を夜久はぽかんと見つめた。
廊下のド真ん中、人通りは結構多い、しかも高峰は結構目立つ。
廊下の真ん中で高峰と夜久が対峙するのを、周りの女子は興味津々、男子はと言うと可哀想なぐらいガッカリして見守っていた。
夜久はというと、どうしていいのか分からず突っ立っている。
さっき目の前のこの黒尾とやたら仲良くなった同じクラスの女子はなんと言ったのか。
大学を聞かれたところまでは覚えている。
そのあとだ、そのあと、たしか、この子は＿＿＿＿
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つばき - 川西のお話、鳥肌が立ちました。陰のある恋をしてほしいっていうの、同意します…！ (2021年2月14日 10時) (
レス) id: f1e42d3762 (このIDを非表示/違反報告)
桔梗(プロフ) - リムさん» ありがとうございます！ 頑張ります (2019年12月30日 22時) (レス) id: b9479cbc1c (このIDを非表示/違反報告)
リム - 赤葦の物語とっても切なくて涙が止まりません・・・泣 これからも頑張ってください! (2019年12月22日 2時) (レス) id: 7cc2098249 (このIDを非表示/違反報告)
桔梗(プロフ) - 天祢さん» そう言っていただけてうれしいです！個人的にも川西くんのお話が好きなので、刺さってくださる方がいて良かったなあと思います。更新を楽しみにして頂けるとうれしいです。コメントありがとうございました！ (2019年12月14日 15時) (レス) id: b9479cbc1c (このIDを非表示/違反報告)
天祢 - 読ませていただきました!勿論全部のお話が素晴らしかったのですが、元々最推しなのもあって川西くんのお話が特に良かったです。深いなぁ…と思いました。更新頑張って下さい!楽しみにしています(^-^) (2019年12月13日 21時) (レス) id: dfbff6b887 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桔梗 | 作成日時：2019年11月16日 13時
