story.58 ページ10
六月最終週に差し掛かる週末。
轟は珍しく母親の見舞いには行かずに、自室で寝転んでいた。
それは一週間後に迫る、学生ならば避けて通れない行事があったからである。
学生ならば避けて通れない道…即ち期末試験。
ヒーロー基礎学に至ってはまだまだ力及ばぬところも多々あるが、一般科目に関していえば、特別難しい訳でもなく、中学までの勉強をきちんとしていれば、授業を聞くだけでもそれなりに点数は取れるテストではある。(少なくとも轟はそう思っている。)
しかし、母に「テスト前だから」と、気遣われ、見舞いに行こうにも行けず、体が鈍らぬように続けているトレーニングメニューを一通りこなすと、自室の部屋に寝転んでいたのであった。
娯楽品には特に興味がなく、自室にもそんなものは元より無いので何をするでもなく寝転んだまま天井の木目を数えていた。
「………」
天井の木目を数えているだけでは時間を無駄にする、ということはもう既に何回も考えている。
外に出て行く宛もなくぶらぶらと歩くのもいいのかもしれないが、何だかそんな気にはなれない。
テスト前、という気分がこうさせているのだろうか。
暫く黙って木目を眺めていると、枕元で軽快な電子音が鳴った。
むくりと体を起こし、液晶パネルを見やれば、何だか眠たくなってきていた目も冴えた。
「重村A」と表示された画面は、どうやら電話のようで、手がもつれながらも電話に出た。
「っあ…っと…すまねえ、A？どうした？」
「焦凍くん？…ごめんね、もしかして何かやってる途中とかだったりした？」
「いや、何もしてねえ。大丈夫」
そう言うと、安心したように息をついたA。
Aの息遣いが、電話越しだけれど、耳元で聞こえて変な気持ちになる。
「焦凍くん、今日これから時間あるかな。」
「…？ああ。」
「…ほんとは前日までくらいに誘うべきなんだけど、御見舞の予定なくなっちゃったから…」
前置きしたAは、電話越しでも想像がつくくらい、恥ずかしそうに「…勉強教えてくれませんか」と呟いた。
轟が二つ返事で了承したことは言うまでもないだろう。
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リアルが忙しくて…すみません。
なんか最近酷く体が怠くてですね、疲れるんですよね…夏バテですかね…。
作者の住んでいる地域は北の方なんですが最近暑いです。
本州の方もニュースを見る限り暑そうですね…お身体に気をつけて夏をお過ごし下さいね。
ぼちぼちと更新も頑張っていきます。
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ほのか - 初めまして。とても面白かったです。長らく更新されてなくて寂しいですが、気長に待ってます！！ (2017年10月29日 21時) (
レス) id: 3427580561 (このIDを非表示/違反報告)
橘いおり(プロフ) - とても面白かったです！更新待ってます！ (2017年9月30日 1時) (レス) id: 1b6221fb6d (このIDを非表示/違反報告)
桔梗(プロフ) - 物部さん» 初めまして。ありがとうございます。少しずつですが頑張りたいです。 (2017年1月13日 17時) (レス) id: 213000a954 (このIDを非表示/違反報告)
桔梗(プロフ) - +*Aki ♯μ’sic forever♪♪♪さん» ありがとうございます。その後の模試でB判定になっちゃったんですけどね笑 少しずつですが頑張ります。 (2017年1月13日 17時) (レス) id: 213000a954 (このIDを非表示/違反報告)
桔梗(プロフ) - ゆっきーさん» 返信が遅くなってしまい申し訳ありません。そう言っていただけて嬉しいです。ありがとうございます。 (2017年1月13日 17時) (レス) id: 213000a954 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桔梗 | 作成日時：2016年6月19日 22時
