story.62 ページ14
するすると麺を啜る音だけが聞こえる。
斜め前に腰掛けるエンデヴァーを見やれば、なんともない顔をして素麺を食べ続けている。
隣に腰掛ける彼をみれば、十割増で不機嫌なのが目に見えた。
焦凍くんと勉強していた時は暑かったくらいなのに、冷房が入っていないはずの居間では足先からすぅっと体が冷えている。
社会で習った冷戦ってこれかなあ…なんて場違いなことを考えていると、ずるずると麺を啜っていたエンデヴァーがゆっくりと口を開いた。
「……重村Aさん。」
エンデヴァーに名前を呼ばれ、背筋が伸びる。
初対面のはずだけれど、なんでこの人は私の名前を知っているんだろうか。
焦凍くんを見れば、不機嫌そうな顔は変わらないけれどじっと睨みつけるように目の前に座る彼の父親を見つめていた。
エンデヴァーは私を一瞥すると、ふっと顔を緩めた。
この人、こんな顔もするのか。
「えっと…はい。重村Aです。はじめまして」
そんなに固くならなくていい、と続けたエンデヴァー。
「…それに君とは小さい頃に会っている。」
相変らず焦凍くんは不機嫌なままだ。
「…焦凍。心配しなくてもAさんとの仲をどうこうするわけではない。…重村とは同級生だったしな」
俺がどうこう言わずとも心配はいるまいとお茶を啜りながら言葉を続けるエンデヴァー。
同級生だったのか、と驚いているとエンデヴァーさんは私に向き直り、深々と頭を下げた。
No.2ヒーローが、だ。
「…焦凍のこと、よろしく頼む」
「へっ、あ、いや！私の方こそ…お世話になりっぱなしで…」
エンデヴァーさんはすっと目を細め、何か懐かしむような目をして、薄く笑った。
「……焦凍。恋愛するなとは言わない、ただうつつを抜かすな。精進しろ。……話はそれだけだ。失礼する」
最後に私に「ゆっくりしていってくれ」と声をかけて、エンデヴァーさんは部屋を出ていった。
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ぽつぽつとしか更新できないのが本当に申し訳ないです。コメント、お気に入り、ありがとうございます。更新しなきゃ…とは思うのですがなかなか時間が取れなくて…。ゆっくりですが頑張りたいと思います
前回の答えです、大したことじゃないんですけどね。
私、携帯にロックかけていなくて、従兄弟達に中身見られないようトイレにスマホを持って行ったら手を滑らせて水没させたんです。
しかも二回目です。去年の同じ時期にも水没させてて。
いやほんと何やってるんだって感じですよねぇ。
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ほのか - 初めまして。とても面白かったです。長らく更新されてなくて寂しいですが、気長に待ってます！！ (2017年10月29日 21時) (
レス) id: 3427580561 (このIDを非表示/違反報告)
橘いおり(プロフ) - とても面白かったです！更新待ってます！ (2017年9月30日 1時) (レス) id: 1b6221fb6d (このIDを非表示/違反報告)
桔梗(プロフ) - 物部さん» 初めまして。ありがとうございます。少しずつですが頑張りたいです。 (2017年1月13日 17時) (レス) id: 213000a954 (このIDを非表示/違反報告)
桔梗(プロフ) - +*Aki ♯μ’sic forever♪♪♪さん» ありがとうございます。その後の模試でB判定になっちゃったんですけどね笑 少しずつですが頑張ります。 (2017年1月13日 17時) (レス) id: 213000a954 (このIDを非表示/違反報告)
桔梗(プロフ) - ゆっきーさん» 返信が遅くなってしまい申し訳ありません。そう言っていただけて嬉しいです。ありがとうございます。 (2017年1月13日 17時) (レス) id: 213000a954 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桔梗 | 作成日時：2016年6月19日 22時
