story.59 ページ11
突然だと迷惑かと思ったが、思いの外彼はあっさりと承諾してくれた。
約一時間半後くらいに、家に来てくれという話だ。
「……あ、服どうしよう。」
実は彼の家にお邪魔するのは今回が初めてだったりする。
失礼のないように振舞わなければと、持っていく手土産を駅近辺で調べたり、着ていく服をクローゼットから引っ張り出して、あれだこれだとしているうちに、家を出る時間が迫る。
結局散々悩んだ結果、白いブラウスに無地のスカート、明るめの色の薄手の上着といった出で立ちで轟家を訪ねることにした。
貴重品と勉強道具を鞄に突っ込み、しっかりと施錠をして家を出る。
駅前の和菓子店で、ちょっとした菓子折りを購入して電車に乗り込む。
轟の家の最寄り駅で下車し、改札を出た。
携帯端末で、彼に最寄り駅についたことを知らせる。(知らせるよう言われていた)
ふと自分の手を見れば、うっすらと緊張から手汗が滲んでいる。
化粧室で、最後の身嗜みをチェックし、手汗を流すと、深呼吸をして轟家を目指した。
-----
轟から予め送られてきていた地図を辿り、約束の時間五分前に轟の自宅前に到着した。
見事な日本家屋である。
これは……立派な庭園とかついてそうだな。
松尾芭蕉やら正岡子規やら、そういった俳人が好みそうな立派な日本庭園。
「……か、彼氏の家行くのって、緊張する」
これがまだ、普通の一軒家だったり、マンションだったりしたら、もう少し緊張は解れただろう。(どちらにしても緊張していただろうが)
「………家、大きいな」
呟きに反応するように、がらがらと音を立てて目の前の扉が開いた。
不意打ちに身構え、体を硬直させたまま扉を凝視すると、顔を伏せるように出てくる彼と鉢合わせする。
「……A、もうついたのか」
「あ、うん…焦凍くん、どうして、」
「あー……A迎えに行こうと思ったんだが、遅かったみてぇだな。」
彼はそういうと、少し微笑んで「どうぞ」と促した。
恐る恐る門を潜ると、やっぱり想像通りの、見事な庭園付きの、恐ろしい程に大きな家だった。
彼に案内されるまま玄関に通され、何だか申し訳なくなりながら靴を揃えて玄関を上がる。
「お、お邪魔します…」
それに反応したかのように、ぴょこっと廊下の角から人影が飛び出した。
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ほのか - 初めまして。とても面白かったです。長らく更新されてなくて寂しいですが、気長に待ってます！！ (2017年10月29日 21時) (
レス) id: 3427580561 (このIDを非表示/違反報告)
橘いおり(プロフ) - とても面白かったです！更新待ってます！ (2017年9月30日 1時) (レス) id: 1b6221fb6d (このIDを非表示/違反報告)
桔梗(プロフ) - 物部さん» 初めまして。ありがとうございます。少しずつですが頑張りたいです。 (2017年1月13日 17時) (レス) id: 213000a954 (このIDを非表示/違反報告)
桔梗(プロフ) - +*Aki ♯μ’sic forever♪♪♪さん» ありがとうございます。その後の模試でB判定になっちゃったんですけどね笑 少しずつですが頑張ります。 (2017年1月13日 17時) (レス) id: 213000a954 (このIDを非表示/違反報告)
桔梗(プロフ) - ゆっきーさん» 返信が遅くなってしまい申し訳ありません。そう言っていただけて嬉しいです。ありがとうございます。 (2017年1月13日 17時) (レス) id: 213000a954 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桔梗 | 作成日時：2016年6月19日 22時
