【文スト】 ろりまふぃあ 【中原中也】

・ ページ21

(織田side)



『ほっぺのきず、いたそうなので
　きになって･･･』



眉を下げて上目に俺を見る子供。



「･･･貰っていいのか？」
『はい、ええと、まだなんまいか
　もってるからだいじょうぶです』
「･･･そうか。なら有り難く頂こう」



小さな手からするりと絆創膏を
抜き出して受け取ると、
嬉しそうに顔を明るくする。



『あ、えっと太宰さんが、
「余り無茶はするなよ」だそうです!
　早く治るといいですね、"織田作之助さん"』



ではまた!と小走りで去っていった少女。

何故名前を知っているのか等の疑問は、
目で其の背中を追った先、見覚えのある
茶色の髪に黒い帽子を被せた
組織幹部と話していた少女を見て全て解決した。




*




それから少し経ち、俺とAは
太宰を通じて知り合いとなった。


以降は俺自身少し心配なのもあって
交流をするようになり、
今に至る、わけだが。




改めて考えると、太宰と大差ない
エリート街道を歩んでいるA。

最も、店にいつの間にか入ってきていた
猫と戯れているAを
見ていると、其の面影など全く無いのだが。



「･･･ん、このおつまみ美味しい。
　AちゃんAちゃん。
　おいで、一緒に食べよう」



つまみを片手に、反対の手でとんとん、と
太宰が己の膝を叩くと猫から離れ、
小走りで此方に戻ってくるA。



「こうしてみると、どちらが
　猫か分かりませんね」
「飼いたいのは圧倒的に
　Aちゃんだけどね！
　どう？美味しい？」



太宰の膝の上に座り、顔を綻ばせて
こくこく、と頷くA。


そんな幸せそうなAの顔を肴に
また一杯あおる俺達を交えて、
夜は、更けていく。


――――――――――――

お久しぶりです、作者の塩梅なりです。
長い間姿を見せず申し訳ありませんでした。

受験生、想像以上に時間が有りません。
勉強や体験入学の傍ら更新すれば
大丈夫だろうと舐めきっていた自分を
ジャーマンスープレックスしたいです。

話が変わりまして文スト二期、
始まりましたね。
１０月は他にも某バレーアニメや
某刀剣擬人化ゲームのアニメ、
某猫先生が登場するアニメなど
見たい作品ばかりです。受験期恨む。

この先受験勉強に本腰を入れて
取り組むので更に忙しくなり、
更新も間隔をあけてすることになります。

皆様を待たせてしまい、申し訳ありませんが
お付き合い頂けたら幸いです。

どうぞこれからもよろしくお願いいたします。

塩梅

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