うちのロリさにわ。【刀剣乱舞】

『ちっちゃいお兄ちゃんたち』＊今剣・蛍丸 ページ35

《今剣side》


梅雨が明けた夏のころに多いもの。
それは、



――ｺﾞﾛｺﾞﾛ････



「･･･ぁっ･････」



雷。
あるじさまが小さな悲鳴をあげる。

彼女は普段の振る舞いこそ大人なものの
まだ幼く、しかも女の子。
雷だって怖くても何も可笑しくはなくて。



*



･･･つい先程のこと。
今日が近侍のぼくは、あるじさまの部屋にいた。

そこから見える空は、昼過ぎ頃までは
快晴だったのにいつの間にか淀んでいる。
時間帯からして夕立が来そうだった。

あるじさまは天気が荒れそうだから念のため、
皆に仕事を終えて屋内へ戻るよう伝えてくる
というと部屋をでてしまった。



あるじさまは必要最低限の仕事しか
ぼくたちにさせたがらない。

彼女なりの優しさなんだろうけど、
もう少しぼくたちに頼ってくれてもいいと思う。
現にこうやって近侍を置いていった訳だし。



少しして、完全に暗くなった空に眩い光が差す。
そして遅れて聞こえる大きな音。

雷だ。
やっぱり夕立が来たみたいだった。



･････それにしても、あるじさまが帰ってこない。
全員に伝えるとはいえここまでかからないと思う。

何かあったのか。
雷が鳴り出して危ないので、ぼくは
部屋をでて主さまを探しに向かった。

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