潮騒～Sound of Waves～ 6 (ページ27)

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235 どこ行く？＊Mei＊ページ27

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夢みたいな一日だった。

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はるばるうちの大学まで遊びに来てくれた櫻井さんのために、相葉さんが飲み会を開いてくれて。

深刻そうな顔をした潤くんに連れて行かれたAちゃんは仕方がないとしても、なぜかにのくんもケイコさんも欠席だったから私はちょっと寂しかったんだけど。

でも、かえってそれで私は櫻井さんとたくさんお喋りすることができたのかもしれない。

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久しぶりに会う櫻井さんは夏合宿の時よりも少し襟足が伸びたせいか、大人びて見えて、私はもうずっとドキドキしっ放し。

白のVネックのインナーにとても綺麗な紺色のジャケットを重ねて、胸元にはさり気なくブランドロゴが刻印されたシルバーのタグの形のネックレスが揺れてる。

それはそれは溜め息が出そうなくらいに素敵で。

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二次会に行く途中、さっきまで相葉さんと並んで話してたはずの櫻井さんが、気付くといつの間にか私の隣にいた。

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「結構飲んだなぁ」

「あ…櫻井さん」

「あのさ」

「ハイ」

ドキドキしながら櫻井さんを見上げると、櫻井さんは少し屈んで私の耳元で囁いた。

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「…この後二人で抜け出さない？」

「え？！」

「…ダメかな」

「い、いえ！！全然ダメなんかじゃないです！！」

びっくりして私がそう言うと、

「焦ったー、断られるかと思った。笑」

あの櫻井さんがそう言って、照れ臭そうにこめかみをぽりぽりと掻く。

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そんな態度取られたら勘違いしちゃう…

どうして櫻井さんは私にこんなことを言うの？

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まさかと思いつつも私はその後、櫻井さんに言われた通り時間差でお店を出た。

階段を下りたら、先に出た櫻井さんがそこで私を待っててくれて、私を見て嬉しそうに笑った。

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ううん、違う。

別に私じゃなくてもよかったの、きっと。

他の女の子でも。

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期待しないように、自惚れてしまわないようにそう自分に言い聞かせながら、「どこ行く？」って聞かれて。

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「どこでもいいです」

って答えた。

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どこでもいいです。

櫻井さんと一緒にいられるなら、どこでも。

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「俺、この辺の店知らないしなぁ」

櫻井さんが空を仰ぎながら困ったように呟いたから、言ったの。

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「じゃあ、うちで飲みますか」

って。