潮騒～Sound of Waves～ 3 (ページ33)

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115 本音ページ33

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「ねぇ、さっきにのくんと何かあったの？」

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メイちゃんは私の前でだけ、にのくんのことをにのくん、と呼ぶ。

普段は二宮さんって言ってるメイちゃんがそう呼ぶと恋バナが始まるから、私はいつもドキドキしてしまう。

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「何も…にのくん、なんか急に無言になっちゃって私もわかんないの。ビール飲みたいって言ってたのに」

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お風呂上がりの私が化粧水を顔につけながらそう答えると、髪を乾かしていたメイちゃんはドライヤーを止め、じっと私を見つめた。

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ここに送ってもらう途中のコンビニの前で、メイちゃんと相葉さんがそこに入ろうと私達を振り返った時のことだった。

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にのくんは、ここまで来たというのに。

ついさっきまでメイちゃんちで四人で飲むことに乗り気だったのに、突然、やっぱり帰るわ、と言い出した。

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「なんで！？」

「俺さ、実は今日相葉さんに話があって来たんだよね。

さっきはメイちゃんちで飲む方が相葉さんちで二人で飲むより楽しいだろうしさ、いいかなって思ったんだけど。

よく考えたらやっぱり少しでも早い方がいいしさ、今日は送ったら俺らは帰るわ」

「えーーー！！なんだよそれ！！俺だって野郎二人で飲むよりメイちゃんやAちゃんと飲む方がいいよ！！」

「それ、どうしても今日じゃなきゃダメなんですか？」

「うん、せっかく誘ってくれたのに悪いね」

「そっかぁ…じゃあ、仕方ないですね…残念」

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仕方なく、まだご飯を食べてなかった私とメイちゃんはそこで食料と飲み物を調達して、メイちゃんちまでにのくんと相葉さんに送ってもらって。

にのくんと相葉さんは私達が部屋に入るのを見届けると、本当に今来たばかりの道を駅へと戻って行った。

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「にのくんの気持ちを探るチャンスだって思ったのになぁ。ホント残念！！」

「メイちゃん。笑」

「酔っちゃえばにのくんの本音が少しは聞き出せそうだなって思って」

「本音…」

「そう、にのくんの本音。素面じゃ太刀打ちできなそうだけど、ほら、にのくんて酔うと饒舌になるじゃない？」

「うん」

「でも今日は大事な話があるって言うんだから仕方ないよね」

「うん、色々協力してくれてありがと。めんどくさくてごめんね。笑」

「ううん、全然！私今すっごく楽しいから気にしないで」

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メイちゃんはそう言うと、「話は合宿まで遡るんだけどね？」と嬉しそうにカルピスの缶チューハイを二つのグラスに注いだ。