潮騒～Sound of Waves～ 3 (ページ29)

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111 遠慮ページ29

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「……あの、さ。…えっと、メイちゃんバイトが終わるの、予定より遅くなっちゃったらしくて、……てゆーか、もしかして、俺らお邪魔だった、…かな」

「……//」

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カッと顔が熱くなった。

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プイッとそっぽを向いたにのくんの横顔をチラッと見たら、その耳たぶは心なしか赤く染まっているように見える。

相葉さんの後ろに、心配そうな顔で立っているメイちゃんの姿が目に入った。

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「メイちゃん！！無事だった！？」

「Aちゃんこそ大丈夫！？相葉さんから聞いてびっくりしちゃって…私が遅れちゃったから…ごめんね」

「メイちゃんのせいじゃないよ、勝手にこっちに来ちゃった私がいけないんだから」

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お互いに自分のせいだとメイちゃんと言い合ってたら、にのくんは私を見て「うん、お前が悪い」と言って立ち上がる。

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ムカ。

まぁ、ホントに私が悪いからにのくんにそう言われたところで何も反論できないんだけど。

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「…あ、そう言えばにのくん、さっき智のこと何か言いかけたよね？」

立ち上がったにのくんの背中に声をかけると、にのくんは一言、「忘れた」と言って両手を上げて伸びをした。

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「忘れた、って…」

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「どうする？Aちゃん、リーダーに迎えに来てもらう？」

相葉さんが心配そうに言うから、今夜はメイちゃんちに泊まることを私は伝えた。

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「そうなんだ！女の子のお泊まりってなんか響きがいいよね」

「そうですか？笑」

「うん、なんかやらしい感じがするじゃん」

「やらしいって。笑それは相葉さんだけですよ」

「私もそう思う。笑」

「それが男ってもんなの！…でもこんな時間だしさ、まだコウコの奴らが近くにいるかもしれないし、俺らがメイちゃんちまで送るよ」

「え、いいです！二人なら大丈夫だから」

「どうせニノも今日うちに泊まるんだし、別に遠慮しなくていいよ」

「でも、」

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もうこれ以上相葉さん達に迷惑をかけるのが申し訳なくて、遠慮しようと思っていたら。

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「私、怖い。すっごく怖い。怖過ぎる。Aちゃんと二人きりであの人達に会っちゃったらどうしていいかわかんないから送ってもらお？ね、甘えよう？」

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メイちゃんは私の手首をギュッと掴むと、やけに目をキラキラと輝かせながら私を見つめてなぜか小さく頷く。

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そしてにのくんの方を見て、

「お願いします、送ってもらえますか？」

と言った。