潮騒～Sound of Waves～ 3 (ページ19)

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101 お土産ページ19

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途中、トイレ休憩で停まったサービスエリア。

私はトイレに行った後、飲み物を買おうと売店へ行き、その際レジの隣のゆるキャラコーナーが目に入った。

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あ、これ、潤くんが好きかも。

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潤くんの私服はとてもお洒落なんだけど、ロッカーの鍵にはゆるキャラのキーホルダーがたくさん付いてたのを知っている。

私がそれに突っ込むと潤くんは顔を赤くして、「す、好きなんだから仕方ねーだろ、わりぃかよ」ってしどろもどろになった。

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ふふ、これ、お土産に買っていこ。

私が合宿でバイトを休んでる間、潤くんは嫌な顔一つしないでずっとシフトを入れてくれたし。

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私はそのキーホルダーを手に取って眺めながら、潤くんの喜ぶ顔を想像していた。

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「お前、こんなん好きなの？」

突然、後ろから手が伸びてきてそれを奪われる。

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「あ！」

振り返ると、にのくんがそれを目の高さまで上げてジロジロとそれを見ていた。

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「にのくん」

「すっげぇしまりの無い顔してるな」

「そう？…私は可愛いと思うけど」

「違うわ。こっちじゃなくてお前だバカ」

「バカって！にのくん、さっきも私のことバカって言ってたでしょ！口の動きでわかったんだから」

「そりゃあお前ね、あんなとこで堂々と着替えるバカにはバカって言うだろ。ったく何考えてんだよ。…ってゆーかさ」

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そこまで意地悪そうな顔してたにのくんが、急に優しい目をして。

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「どうよ、体」

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なんて、小首を傾げて私の顔を覗き込むもんだから、調子が狂う。

無駄にドキドキしちゃってしょうがない。

私はその綺麗な目を真っ直ぐ見ることができなくて、視線を逸らしながら答えた。

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「、っと、まだちょっと火照ってる感じはあるけど、いっぱい水分も摂ったし、もう平気！…な、なんか色々迷惑かけてごめんね！これもちょっと臭いけどすごく助かったよ、ありがと！」

「…お前ね、」

「なに」

「臭いとか言うなら脱げや！」

「やっ！！変態っっっ！！///」

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にのくんが、私が着てるTシャツの裾を掴んで捲り上げようとしたから、私が必死でそれを阻止していたら。

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「もしもしお二人さん？えー、そろそろバスが出ますんで、公共の場での痴話喧嘩はそれくらいでお願いしまぁっす」

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櫻井さんがそう言って、口笛を吹きながら私達の背後を通り過ぎて行った。