検索窓
今日:3 hit、昨日:3 hit、合計:38,513 hit

第九話 ページ10

百鬼丸は川に落ちた刀を腕の剣の背で器用に拾い上げ、口にくわえて戻ってくる。

「手、出して」

Aが百鬼丸の腕に義手をはめていく。

その隣で、先程の子供がきゃあきゃあと騒ぎ立てていた。

どろろ「兄ちゃんすげぇな!あれ化け物見てねぇだろ?それなのにあんなにバーッと倒せるなんてよぉ!」

子供のはしゃぐ声に、Aが顔を歪ませた。

「静かにして、耳に響くから」

どろろ「あっ、悪い…」

子供が肩をすくめた。

「…行こう、百鬼丸」

その場を立ち去ろうと、Aが百鬼丸の手を引こうとする。

百鬼丸「…!」

途端に百鬼丸が手で顔を覆った。

「百鬼丸…まさか…!」

ガタッ

どろろ「うわぁあ!」

百鬼丸の面が外れ、顔の肉が露わになる。

それに加え、みるみると顔の皮が生えてきた。

「顔が…戻った…」

突けばコツコツと音の鳴る面ではなく、柔らかな肌が戻った。

そのためか、百鬼丸の表情は少し柔らかくなった気がした。

Aはそっと百鬼丸の頬に自分の頬をくっつけた。

義手では温度が感じられないからだ。

「…温かい」

百鬼丸の首元に顔をうずくめ、目を閉じる。

どろろ「…なんか、オイラ邪魔だったか?」

「!」

我に返り、百鬼丸から離れる。

「…行こうか」

百鬼丸の手を取って立ち上がる。

Aが歩けば、百鬼丸もついてくる。

そして子供も。

「…おい」

どろろ「ん?」

「何故ついてくる」

どろろ「別にいいだろ?」

「何が」

どろろ「だって兄ちゃん超強かったし、その腕転がしてちゃあ勿体ねえ。オイラなら兄ちゃんの腕を活かせる仕事を見つけられるし、褒美をもらえば姉ちゃん達も得すんだろ?一石二鳥ってやつさ」

ふぅ、と、Aが溜め息をつく。

「…勝手にしろ」

そう言うと、子供は歯を見せて無邪気に笑った。

第十話→←第八話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 6.7/10 (215 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
136人がお気に入り
設定タグ:どろろ , 百鬼丸
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

輪廻 - めっちゃ面白いです!(^ ^) 続きを楽しみにしてます! これからも頑張ってください! (2019年7月11日 12時) (レス) id: bf927136c6 (このIDを非表示/違反報告)
- 何が総合2位wwオリフラ立てたからじゃん (2019年6月27日 20時) (レス) id: 50d994e323 (このIDを非表示/違反報告)
かなと - オリジナルフラグをお外し下さい。外されないなら違反報告します (2019年6月27日 18時) (レス) id: c56aad1eeb (このIDを非表示/違反報告)
姫鬼(プロフ) - siriusuさん» ありがとうございます、励みになります!! (2019年4月15日 19時) (レス) id: 72603904b9 (このIDを非表示/違反報告)
siriusu(プロフ) - とても面白いです!続き凄く気になります!更新頑張って下さい!q(^-^q) (2019年4月3日 16時) (レス) id: ee4308919b (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:姫鬼 | 作成日時:2019年2月17日 11時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。